データエントリーの大幅な省力化を実現する画期的なOCRソフト「AnyForm OCR」登場。

ITが進化する一方で、企業間の取引においては依然として、注文書などがファクスでやりとりされている。受け取った注文書は、取引先ごとにフォーマットが異なるため、光学式文字読み取り装置(OCR)で処理することが困難だ。このため、多くの企業ではデータエントリーを手入力で行っており、そのコストが課題になっている。だが、最近になって、この課題を解決する画期的なソリューションが登場し、注目を集めている。客先フォーマットの注文書でも、事前の設計なしに自動的にOCR処理ができる「AnyForm OCR(エニーフォームオーシーアール)」だ。その仕組みはどうなっているのか、開発元に取材した。

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書式がバラバラな注文書も読み込める、画期的なソリューションが500万円〜で登場

 「これまでは『取引先によって注文書のフォーマットがバラバラなので、当社にはOCR処理は無理』というお客様の声がほとんどでした」と語るのは、ハンモックの佐藤夏菜子取締役だ。
 同社は、法人向けに、ユニークで特化したパッケージソフトウエアやソリューションを開発・販売している。
 OCR処理を行うためにはフォーマットが統一されたOCR帳票が必要になる。取引先がこれを利用してくれればいいが、そのような力関係を持つサプライヤーはまれであろう。一般的には、取引先が使用している、さまざまなフォーマットの注文書に対応しなくてはならない。つまり、ファクスで送付されてくる注文書を一枚一枚出力しては、手作業でデータエントリーすることになるのだ。

若山 正美 氏

株式会社ハンモック
代表取締役社長 若山 正美 氏

 ハンモックの若山正美社長は、「取引規模の大きなサプライチェーンであれば、EDI(電子データ交換)を導入する方法もあるでしょう。しかし、データ量が多くなかったり、客先が中小企業であったりする場合は、EDIはなじみません。これからも引き続き、ファクスによる注文が残ることになりそうです」と語る。
 企業にとっては、データエントリーのために、正社員やアルバイト、派遣社員などでオペレーターを雇っているところもあるだろう。そのコストは決して小さくない。
 「この9月に発表した『AnyForm OCR』が、この課題を解決できると自負しています」(若山社長)。
 「AnyForm OCR」はその名のとおり、取引先の注文書(活字)がどのようなフォーマットであっても、自動的に項目や内容を認識し、OCR処理が行える画期的なソリューションである。
 導入コストは1システム500万円から。一定の初期投資は必要だが、「導入後のランニングコストも低く抑えることができます。日常的にデータエントリー業務を行っている中堅企業から大手企業であれば、早期に回収いただけると予測しています」と、若山社長は自信を見せる。

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OCRを知り尽くした独自のエンジンを開発し、項目や値を自動抽出

 一般的に、OCR処理を行うためには、OCR用に設計された定型の帳票でなければならない。具体的には、帳票の4隅(または3隅)に、「タイミングマーク(コーナーストーン)」と呼ばれるマークを記し、そこからの距離(座標)により、場所(フィールド)が決められ、このフィールドの枠内に文字を収める必要がある。すべての帳票に事前の設計が必要だ。
 では、「AnyForm OCR」はなぜ、フォーマットがバラバラな注文書を、このような設計なしに読み込むことができるのか。
 佐藤取締役は次のように説明する。「当社は、20年以上にわたりOCRソリューションを提供してきました。そのノウハウを生かして、帳票に記載されている内容から、必要な項目や数値などを抽出する独自のエンジンを開発することに成功しました」。

佐藤 夏菜子 氏

株式会社ハンモック
取締役 佐藤 夏菜子 氏

 たとえば、注文書に「注文№」という文字があれば、そのそばにある数値が具体的な値であるとわかる。「AnyForm OCR」ではこの数値をOCRで読み取り、データ化する。同様に、「商品コード」、「社名」、「金額」などの文字を認識し、そのそばにある文字や数字をデータ化するため、フォーマットがバラバラでも、また、事前の設計がなくても、OCRが可能になるのである。
 ちなみに、目印となる項目は初期設定されており、そのつど設定する必要はない。また、「金額」という項目であれば、「単価」、「定価」、「料金」などの類義語も設定されている。初めて使用するときに、自社の社名、商品コード、商品名など、最低限の情報を登録しておけばよい。
 「『AnyForm OCR』の導入により、さまざまな業務の省力化や効率化を図ることができます」と若山社長は話す。
 もっとも大きな効果は、データ入力の自動化に伴うオペレーターの削減が可能になることだ。手作業がなくなるため、人はOCR結果を確認し、必要に応じて修正する程度でよい。
 オペレーターの採用やローテーションに頭を悩ませる企業も多いが、「AnyForm OCR」を導入すれば、その苦労も少なくなるだろう。
 若山社長は「当社の試算では、人件費だけでも約75%削減できると考えています」というから、導入のメリットは大きい。

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「ファクスサーバー」と併用すれば、ファクスの一元管理、ペーパーレスが実現

 佐藤取締役は「当社のファクスサーバーをご利用いただけば、さらなるコスト削減も実現します」と紹介する。
 ハンモックのファクスサーバーは、紙で送られてきたファクスをイメージファイルに変換し、一元管理できるというものだ。
 PC、ファクス機、複合機のファクス送受信を集約することで、自席のPCから受信ファクスを確認できる。また、自動ルーティング(振り分け)機能を活用し、客先ごとに管理できるだけでなく、「AnyForm OCR」と併用することにより、注文書のみを抽出し、受領確認ファックスを自動返信するといったこともできる。
 ファクス機や複合機の台数(回線)を減らすことができるため、コスト削減効果は大きい。オフィススペースも有効活用できる。さらに、ペーパーレスが実現するため、環境保全にも貢献できる。もちろん、原紙の置き忘れや誤廃棄などのミスがなくなるほか、問い合わせ対応なども低減できるだろう。

若山 正美 氏 佐藤 夏菜子 氏

 若山社長は「すでにさまざまな業種業態のお客様から『AnyForm OCR』の問い合わせをいただいています。導入が決まっている企業もあります」と話す。医療機器、OA機器、自動車部品などのメーカーのほか、食品卸などの商社も「AnyForm OCR」導入のメリットが大きそうだ。
 「『AnyForm OCR』は、注文書だけでなく、勤怠報告書、申込書、市区町村での給与支払報告書などのOCR化にも対応できます。お客様のご要望に応じて、パッケージなどのメニューを拡充していく予定です」(若山社長)というから頼もしい。
 以下のページでは、「AnyForm OCR」の機能が紹介された資料をダウンロードできる。「当社にはOCRは無理」とあきらめていた企業も、ぜひこの機会を利用し、自社のデータエントリーの課題解決につながる最先端のOCRソリューションを知ってほしい。

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