subtitle1データの量や種類が急増 ITへの負荷が年々高く

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テクニカル・セールス&ソリューションズ
技術統括部長

大塚 知彦 氏

 「ハードウエアやソフトウエアは最近、安くなっていると聞く。だが、IT部門から上がってくる予算はむしろ年々増えている。なぜこうなるのか」と考える企業経営者も少なくないだろう。
 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 テクニカル・セールス&ソリューションズ 技術統括部長の大塚知彦氏はその理由について、「企業の活動が多様化し複雑化する中で、データの量も種類も、これまでとは比べものにならないくらい急増しているためです」と説明する。
 大塚氏によれば、業務の利便性を高めようとするごとに、必要とされるハードウエアやソフトウエアの数も増えるという。最近では、会社に届いたメールをモバイル端末を使って外出先で読むことができる企業は珍しくない。また、顧客向けにスマートフォン用サイトで情報提供をしたり商品を販売したりする企業も増えている。むろん、これらを実現しようとすれば、サーバー(コンピュータやプログラム)、ストレージ(データの記憶装置)などをそのつど追加していかなければならなくなる。

subtitle2IT投資のうち70%が保守費用に 「攻め」のITが実現できていない

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ソフトウェア事業
インフォメーション・マネジメント事業部
データマネジメント製品営業部
部長

池田 高也 氏

 データマネジメント製品営業部 部長の池田高也氏は、「日本の企業のIT投資配分を見ると、その70%が保守費用に充てられていて、新規投資の割合が少ないという状況です。日々増えていくデータを守ることに追われ、攻めの経営ができていないのです」と話す。
 ただし、新規投資についても、日本では「コスト高」になりやすい傾向があるという。「米国など欧米の企業では、購入した機器のセットアップ(ハードの接続やソフトの導入)などについても、社内で行うところが多いのですが、日本では外部の専門業者に任せるケースがほとんどです」(池田氏)。
 機器の選定のための吟味に時間をかけるのも日本企業の特徴だという。機器が決まった後も、これらのインテグレーション(統合:一元管理)のテストなどに半年以上かかることも珍しくない。企業にとっては1日も早く業務に活用したいところだが、その実現が容易ではない。時間がかかり、人件費を中心とする中間コストが発生しやすい構造になっているのだ。

subtitle3ハード・ソフト代金の30%、人件費の50%を削減した「アプライアンス(専用機)」とは

IT投資の時間やコストの課題を解決するにはどうしたらよいのだろうか。
 大塚氏は「米国などで新たな潮流として注目されているのが『アプライアンス(専用機)』の活用です。いわば、サーバーやストレージ、ネットワーク、各種ソフトウエアをオールインワンで統合した製品で、購入してすぐに活用することができます」と説明する。
 こうしたアプライアンスがとくに効力を発揮するのがデータベースの構築だ。ビッグデータ時代になりデータベースの重要性はますます高まっているが、その構築にはさまざまなハードやソフト、専門スタッフのコストなどがかかり、簡単ではない。しかし池田氏によると「当社でもデータ処理に適したアプライアンス機を提供しています。この製品と同等の機能を構築するために、部品を1つひとつ購入し、統合作業を行う場合と比較したところ、当社製品は、ハードやソフトの代金は30%、人件費は50%、電気料金は70%をそれぞれ削減することができました」というから驚く。IT技術者にとっても、アプライアンスを導入することで、空いた時間をその他の業務やデータ分析にあてることができるため、効率的な業務遂行が可能になる。
 IT投資のコストを抑え、コア業務に経営資源を配分したいと考える企業経営者やマネジメント層にとって、「オールインワン・アプライアンス(専用機)」は記憶しておくべきキーワードと言える。

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