福島 投資環境は改善し、現に株式市場も上昇しているけれど、決して平時ではないということですね。そんななかで、資産運用業界にはどのような変化が見られますか。
竹治 先進国の経済成長率は、たとえプラスになったとしても、極めて低い水準であり、例えば4~5%の成長率を安定的に期待できる状態とはほど遠いでしょう。経済活動はグローバル化し、おしなべて成長率の低いのが先進国市場です。
先進国市場の運用比率が高いポートフォリオや、国内外の株式や債券に一定割合ずつ分散投資するというような、伝統的な資産配分が当てはまりにくい環境といわざるを得ません。この点が昨今の運用環境の特徴であり、これまでとの大きな違いです。
福島 安全資産といわれていた先進国国債への信頼が揺らいでいるというのもこれまでとの大きな違いです。
竹治 おっしゃる通りです。そういった状況を受けて、新興国への投資や、「オルタナティブ」と呼ばれる新しい資産クラスに、以前にも増して注目が集まっています。例えば、不動産やプライベート・エクイティ、インフラストラクチャー投資。従来型の投資というよりは、出資者の一人として資金を投じ、リターンを期待するものもあります。ヘッジファンドにも高いニーズがあります。
リーマン・ショックの経験から、心理的にリスクを避ける投資家は依然多いものです。しかし、リスクを取らなければリターンが得られないことは、いつの時代も変わりません。リスクを恐れて投資を控えたり国債に依存するのではなく、できるだけリスクをコントロールしながらリターンを狙いたいという、発想の転換が起きています。危機はいつ起こるかもわからず、また起こると瞬時に世界中へ広がります。突発的な危機による下値リスクを戦略的にコントロールしようという考えも広がっています。
福島 具体的にどのような手法で下値リスクをコントロールするのでしょうか。
竹治 例えばオプション取引といった手法を用いることがあります。最初に一定の保険料を支払うことで、突発的なリスクに巻き込まれた際に下値リスクを限定させる、というようなオプションをあらかじめ組み込むわけです。
従来型の運用では時代遅れということではありませんが、お客様のニーズは急速に多様化しています。当社では、伝統的な株式や債券はもちろん、先述のオルタナティブ、または株式や債券にコモディティ(商品)を組み入れたマルチアセット運用、ベンチマークにとらわれない株式や債券運用なども積極的に提案しています。下値リスクをコントロールする戦略では、専属のチームを設け、開発と運用に取り組んでいます。
福島 改めてUBSグローバル・アセット・マネジメントの強みについて教えてください。
竹治 UBSは日本を含む世界のお客様に、ご紹介したような投資戦略を長きにわたり、ご提案・ご提供してきました。また、個人から法人、年金に至る多様なお客様からさまざまな投資ニーズを汲み取り、それを迅速に運用商品に具現化する体制を持っています。
UBSグループが強みを持つウェルス・マネジメントは、刻一刻と変化する運用環境の中で、顧客のニーズにきめ細かく対応することが求められてきた金融サービスにほかなりません。現在のように先行き不透明な環境下でこそ、ウェルス・マネジメント業務で培った当社の伝統、強みを発揮できると自負します。
UBSグループは、日本においては、UBS証券株式会社、UBS銀行東京支店、UBSグローバル・アセット・マネジメント株式会社の3法人を通じて業務を行っており、お客様からの多様なニーズに沿った、最適なサービスを提供できる体制を整えています。各サイトではさまざまなビジネスのキーマンが戦略を語っています。どうぞご覧ください。