企業が重視する「クリエイティブツール」活用力

「現代のビジネスではオフィスツールは使えて当たり前。必要条件でしかありません。企業は、一歩進んだデジタルリテラシーとして、クリエイティブ系ツールを扱える能力を求めるようになってきています」

そう語るのは、アドビ デジタライゼーションマーケティング本部長の小池晴子氏。

アドビが、企業の新卒採用担当500人を対象に行った調査によると、新卒採用において重要度が上がったと思うスキルとして、デジタルリテラシー(ITを使いこなせる能力)が前回(2018年)調査比で6.6ポイント増の31.2%に上昇した。

その中でも、表計算や文書作成、プレゼンテーション資料などのオフィスソフトのスキルは前回比7.1ポイント減となったのに対し、イラスト制作や加工、写真加工、動画編集、アプリやウェブの制作などが4.8~8.8ポイント増えた。

企業は、基本的なオフィスソフトが使えるだけにとどまらず、クリエイティブ系ツールを使いこなすスキルを持つ人材へのニーズを高めているのだ。しかも、このクリエイティブ系デジタルリテラシー重視の傾向は、就職人気ランキングに登場する企業で、より鮮明になっている。

そもそも、採用にあたって「課題解決方法の発想力/着想力」を重視すると答えた担当者は8割超。コロナ禍によるリモート化、デジタル化の急速な進展によって、企業は業務を効率的に進めるだけでなく、創造的な課題解決のためのデジタルリテラシーへの期待を高めている。

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新卒採用において重視するスキルとして、「課題解決方法の発想力/着想力」は2018年の調査時と変わらずトップ。そうした発想を伝えるための表現に、デジタルスキルは欠かせないものとなるだろう。

「デジタルで伝える経験」が、学びを深める

アドビのCreative Cloudで作成した研究発表資料の例

クリエイティブ系デジタルツールを駆使して学業や研究活動の中で研究発表やプレゼンテーションを充実させることができる。

情報やデータを視覚的に表現するインフォグラフィック、研究発表用のポスター、研究内容を発信する動画の編集・制作は、最新のツールを使うことで、わかりやすさを追求しやすくなった。自作のアプリやウェブのプロトタイプ(試作品)をデモに使えば、よりリアルに伝えられる。

北海道大学公共政策大学院生の米田夏輝氏は、経済学部生時代にアドビのクリエイティブツールを使い、学生団体のイベントのビジュアルやパンフレットを制作した体験から「ビジュアルでメッセージを伝えようとすることを通じて、テーマを深く理解できるようになった」と振り返る。

クリエイティブ系ツールのデジタルリテラシーは将来、社会に出てからも資料作成などに必要だと感じているが、「一般的な学生は、クリエイティブ系のデジタルスキルを身に付ける機会は少ない」と指摘。大学がツールに触れる機会を提供することで、「学生は、より大きなものを得られるようになると思う」と話した。

Illustratorによるコンセプトイメージ画像制作の例。障子、畳、和室、宇宙のビジュアルイメージを重ねて作成している。
アドビのクリエイティブツールを使用することで、伝えたいことを俯瞰したり、要素分解して組み合わせたりすることができる。米田氏によれば、そこから新しい視点の気づきを得ることもできたという

学業にこそCreative Cloud

アドビが教育業界にも積極的に普及を促しているのが「Adobe Creative Cloud」。写真、デザイン、ビデオ、Web、UI/UXなど、あらゆる制作に対応する20種類以上のアプリケーションやサービスを提供している。各ツールを組み合わせて活用することによって、充実したクリエイティブ制作を効率よく行うことが可能だ。中でも「Adobe Illustrator」「Adobe Photoshop」「Adobe XD」などのツールはとくに学業の役に立つ。

例えば、Illustratorで研究発表のポスターやプレゼン資料を、格段に見やすく、素早く制作しつつ、掲載する写真の加工や調整にはPhotoshopを使う。

Photoshopは、学問領域でも標準的に使われるため、論文に掲載する画像も、正しい処理ができる。

さらに、ウェブやアプリのプロトタイプをデザインできるXDは、アイデアの表現に適し、論文のフローチャートを考える際のシンキングツールにもなる。共同編集機能もあり、複数の人と一緒にブレインストーミングするツールとしても利用可能。

写真部分の調整をPhotoshopで行い、ロゴはIllustratorで作成。全体レイアウトをXDで組み合わせる事例。

アドビでは、Creative Cloudを大学・専門学校などの高等教育機関に、リーズナブルな価格で提供。学生のBYOD(個人所有)端末で使える学生用ライセンスパックなどのプランを用意している。

豊富な操作・活用事例コンテンツのほか、高等教育機関向けのデジタルクリエイティブ基礎講座も用意。この講座は、ツールの使い方や演習だけでなく、デザインのセオリーやコンセプトから学び、デザインがどのように活用されるのかも理解できる。筑波大学や千葉大学で一般教養科目、北海道大学大学院で共通科目に採用され、単位取得できる正式科目となっている。その対面授業の実績を基に、コロナ下のオンライン授業に合わせたオンライン版講座も開設した。

アドビのエデュケーションエバンジェリスト、井上リサ氏は「クリエイティビティーはすべての人にあるもの。使いやすいツールでアイデアを形にする力を養える」と訴えた。

クリエイティブツールが教育機関でこそ活躍するのはなぜか。その理由はこちらの特別PDFより確認してほしい。

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アドビ
https://www.adobe.com/jp/education.html?marketSegment=EDU