児童・生徒1人1台の学習用端末と、高速大容量の通信ネットワーク環境を整備し、1人ひとりの子どもたちに個別最適化された、創造性を育む教育の実現を目指すGIGAスクール構想。

文部科学省が進めるこの構想では当初、端末を学校以外の場所に持ち出すことは想定されていなかった。しかし、新型コロナの感染拡大によって学校が休校になったことで、教育のICT化の必要性を痛感させられた。急きょ、家庭でのオンライン授業を想定する形に切り替えられ、しかも2019年から5年をかけて進められる予定だった構想は、“今年度中”に前倒しされた。

この変化について、ソリトンシステムズ執行役員の松本吉且氏は次のように語る。

「児童・生徒1人1台の学習用端末を整備する、しかも校外での使用も想定するということは、当然ながらネット上で横行するマルウェアや標的型攻撃、フィッシングなどのサイバー攻撃、薬物やギャンブルといった有害サイトから子どもたちを守る仕組みについても考えなければなりません」

 IT素人でも管理・運用が容易にできる仕組みとは?

通常、危険を回避するためには、危険性のあるサイトやファイルをブロックしたり、有害サイトをフィルタリングしたりして端末に表示させないようにする。しかし、「URLフィルター型」と呼ばれる従来の仕組みは、細かい設定ができるものの、複数の端末が同時にアクセスした場合の通信速度の遅延や、動画配信サービスやオンライン会議システムなどの専用アプリに対してフィルターをかけると、アプリの機能が使えないケースもあるなど、さまざまな課題がある。

一方、ソリトンシステムズがGIGAスクール構想向けに提供する「Soliton DNS Guard for Education」は、「DNSフィルター型」と呼ばれる通信に負荷がかからない仕組みのため、パフォーマンス低下の心配がなく、専用アプリもフィルターをかけた形で利用することができるという。

「オンライン授業をする場合、通信速度が落ちると円滑に授業を進められませんし、オンライン会議のアプリや動画の閲覧が当たり前になっている中、専用アプリが使えないようでは話になりません」(松本氏)

また、従来の仕組みは、プロキシの設定やHTTPSの証明書配布など複雑な設定が必要だ。

「この設定というのが非常に問題になっています。教育現場では、必ずしもITの専門家がシステム管理を行うわけではなく、ITに詳しくない教職員の方々が管理や運用まで任されるケースもあると聞きます。そのため、管理や運用は徹底的にわかりやすく、簡単でなければなりません」(同)

「Soliton DNS Guard for Education」では、管理や運用を簡単に行える工夫が凝らされている。例えば、端末側に必要なソフトウェアは、管理者がデバイス管理ツールで簡単に一斉配布を行うことができる。GIGAスクール構想で利用されるさまざまな端末に対応しており、学年ごとに違うデバイスを利用することも可能だ。

管理者が扱う画面も、国産メーカーだけに日本語のシンプルな画面で、直感的に操作が行えるため、現場からの受けもいいという。

校外利用でも特別な設定不要、コストは従来の5分の1

「Soliton DNS Guard for Education」の脅威判定・カテゴリー判定に利用する情報は、全世界のサイトを網羅的に監視して情報収集し、それらをAIと専門家が分析したものに、日本を標的としたサイバー攻撃で利用されている脅威サイトを追加している。危険なものはシステム側でほぼリアルタイムに反映しているため、管理者は教育上不適切なサイトをカテゴリーフィルターでブロックし、必要に応じて通信許可(または拒否)リスト設定などのポリシー設定でアクセス制御するだけだ。

「われわれの製品が万能というわけではありません。DNSフィルター型の場合、あるサイトの特定のページだけ表示しないといった細かな設定はできません。ただ、デバイス管理ツールの設定と組み合わせることによって『動画配信サービスで教材に使う一部の動画のみ閲覧可能にしたいが、それ以外のコンテンツは閲覧不可にする』といったことも可能になります」(同)

もちろん、校外で利用する場合も特別な設定は不要で、学校と同じポリシーが適用されるため、どこにいても子どもたちを守ることができる。今後、新型コロナの影響で再び休校になったとしても、安心してすぐにオンライン授業ができる。

気になるコストは従来の仕組みの5分の1程度に抑えられているうえ、ライセンスも年度予算で組みやすい形を採用している。5年間のライセンス契約の場合、2020年8月に契約すると、25年の7月までではなく、その年度の終わりである26年3月までライセンスが保持される。

今年度中の環境整備という大変な作業の中、いかに教育現場に負担をかけず、かつ子どもたちの安全を守れるか。

 「製品そのものの性能だけでなく、管理・運用やコストを含めて利用しやすい製品に仕上げ、サポート体制も充実させております。知ってもらえれば、よいものだとわかっていただけるはずですので、少しでも興味がある場合は、遠慮なく問い合わせてほしいです」(同)

お問い合わせ

ソリトンシステムズ
https://www.soliton.co.jp/sdg-edu/