日経平均2万3000円割れ、新型肺炎の懸念継続  各国の金融政策や財政政策に期待する声も

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 2月3日、東京株式市場で日経平均は反落。引き続き新型肺炎の感染拡大の影響が懸念されている。前週末から急速に円高が進んだことも嫌気され、朝方に一時400円を超す下げとなった。写真は東京株式市場で昨年1月撮影(2020年 ロイター/KIM KYUNG-HOON)

[東京 3日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落。引き続き新型肺炎の感染拡大の影響が懸念されている。前週末から急速に円高が進んだことも嫌気され、朝方に一時400円を超す下げとなった。その後、春節休暇明けで取引を再開した上海株式市場が大幅安後に徐々に戻したことを受け、日経平均も下げ渋った。午後は日銀のETF(上場投資信託)買いへの思惑も下支えとなった。

市場からは「きょうは上海株が寄り付いた後に戻したのが大きかった。中国人民銀行が資金供給や金利引き下げによって新型肺炎による悪影響を緩和する姿勢を示したことも材料になった」(国内証券)との声が聞かれた。

新型肺炎の感染拡大による実体経済の下振れリスクに対する指摘も出ているが、市場では「中国も他の国も景気下支えに向けて金融政策や財政政策で手を打ってくるだろう。実際の危機よりも経済対策が大きくなると想定すれば、株式市場にとっては長期的にプラスとなる」(いちよしアセットマネジメントの上席執行役員、秋野充成氏)との見方もあった。

TOPIXも反落した。東証33業種では電気・ガスを除く32業種が値下がり。海運、証券、非鉄金属、その他金融、空運などが値下がり率上位となった。ANAホールディングス<9202.T>は連日の昨年来安値更新。新型肺炎の感染拡大を懸念した旅客需要の減少が警戒されている。

そのほか個別銘柄では、日本エアーテック<6291.T>がストップ安比例配分となり東証1部で値下がり率トップ。東証2部ではマナック<4364.T>、アゼアス<3161.T>、川本産業<3604.T>などもストップ安比例配分となった。タイの医師団が2日、新型肺炎の治療に有効な方法を見つけたと発表し、これまで思惑で買われていた関連株の利益確定売りを誘った。

東証1部の騰落数は、値上がり437銘柄に対し、値下がりが1658銘柄、変わらずが64銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     22971.94 -233.24

寄り付き   22874.27

安値/高値  22,775.92─23,023.73

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1672.66 -11.78

寄り付き     1660.66

安値/高値    1,656.33─1,677.23

 

東証出来高(万株) 135797

東証売買代金(億円) 25654.04

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