要確認!「入ったらダメな保険」と「損する保険」 セールストークを鵜呑みにしてはいけない

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生命保険会社の人からすすめられても加入しないほうがいい保険とは? また、加入した保険の見直しポイントなどを紹介(写真:しげぱぱ/PIXTA)  
生命保険会社の営業パーソンから説明を聞いて、よくわからないまま保険に加入したという人は多いでしょう。しかし、その仕組みと特徴を知らないままだと損をしているケースも。セールストークやパンフレットの説明を鵜呑みにしてはいけません。
そこで本稿では、経済ジャーナリストの荻原博子氏が「加入してはいけない保険」「すぐに見直すべき保険」を厳しく指摘します。(本稿は、荻原氏箸『保険ぎらい 「人生最大の資産リスク」対策』の一部を再編集したものです)。

「外貨建て生命保険」のワナ

「生命保険だけれど、高利回り運用が可能です」とすすめられるのが、「外貨建て生命保険」です。生命保険には、「死んだときにお金が出る」「病気やケガで入院したらお金が出る」という2つの保障があります。ここに日本より運用利回りのいい貯金機能をつけたのが、「外貨建て生命保険」。しかも、保険料を日本円ではなく外貨で支払い、保険金や満期金も外貨でもらうという商品です。

「外貨建て生命保険」が、日本円ではなくわざわざ外貨で保険料を払ったり、保険金をもらったりする理由は、「低金利の日本と違って金利が高い外国の通貨なら、高い金利で運用できるから」と説明されます。

たしかに、日本の保険の運用利回り(予定利率)は0.3%ですが、「外貨建て生命保険」は1~2%。これは運用利回りが高い海外の金融商品で運用するから。例えば、アメリカの国債は30年債なら2.426%(2019年11月8日現在)です。

生命保険は、短期で売り買いするものではなく、長期でお金を預けるので、保険会社は、保険に加入させると同時に、2.426%の30年アメリカ国債を買えば、加入者に1~2%を支払っても、確実に30年間は2.426%で運用できるので儲かります。

ところが、外貨建てだと、為替レートの変動によって、受け取る保険金や満期金が目減りする可能性があり、そのリスクを負うのは保険の加入者です。「外貨建て生命保険」は、商品を販売する保険会社にとってはノーリスクで保険として手数料を稼ぎ、外貨商品として為替手数料を稼ぐという、二重に手数料が手に入る、“美味しい商品”なのです。

しかし、生命保険というのは、いわば「自分の命や健康をかけた“クジ”」です。例えば、ドル建ての「外貨建て生命保険」に加入したとしましょう。これは、生命保険という“クジ”をドルで買い、死亡時には死亡保険金がドルで支払われ、病気なったら入院給付金がドルで支払われ、満期のお金もドルで支払われます。

次ページ外貨建て保険が「二重のギャンブル」なワケ
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