台鉄が日本の鉄道20社超と提携する「真の目的」 日本からの観光客誘致よりも重要だった

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台北駅内に設けられた、日本の鉄道会社との協力内容を展示するコーナー=2016年5月(写真:時事)

日本の鉄道業界では、台湾の国鉄に当たる台湾鉄路管理局(台鉄)と提携する動きが続々と増えている。

今年7月、青森県などが出資する第三セクターの青い森鉄道が台鉄の縦貫線と姉妹鉄道協定を結んだ。協定締結を機に台湾と青森県の相互交流の拡大を図る。台湾の台北駅で行われた締結式典には、青森県知事と台湾政府の交通部長(国土交通大臣に相当)も立ち会いとして参加。相互交流に向けた両者の意気込みが伝わってきた。

台鉄と提携する日本の鉄道は20社超

今年6月には熊本県や鹿児島県などが出資する第三セクターの肥薩おれんじ鉄道が台鉄屏東線・南廻線と姉妹鉄道協定を結んでいる。

第三セクターだけではない。JRでも台鉄と提携する動きがさかんだ。2015年にJR東日本の東京駅が台湾・新竹駅と、JR西日本の大阪駅が台北駅と、それぞれ姉妹駅協定を締結している。また、JR四国と台鉄はどちらも「松山」という駅があることから、2013年に友好駅協定を締結、JR北海道の蒸気機関車C11も2012年に台鉄の蒸気機関車と姉妹列車提携を結んでいる。

大手私鉄では東武鉄道、京浜急行電鉄、西武ホールディングス、近鉄グループホールディングスが台鉄と提携している。持ち株会社が台鉄と提携する場合は、鉄道事業に限らず、観光やレジャーなど幅広い分野での連携が想定されている。

こうした日本の鉄道会社と台鉄との提携事例は20を超える。なぜ、それほど多くの鉄道会社が台鉄と提携したがるのだろうか。

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