日本一予約が取れない美容師、高木琢也の凄み 「不器用でカットが上手いわけでもなかった」

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「日本一予約が取れない美容師」と話題の高木琢也さん。決してカットは上手くなかったと言う彼は、20代をどのように歩んだのだろうか?(写真:赤松洋太)

「月間200万円売り上げれば、人気美容師の仲間入り」と言われる中で、たった一人で月1200万円を売り上げる男。月500ある予約枠は3分で埋まり、今「日本一予約が取れない美容師」と話題なのが、人気美容室『OCEAN TOKYO』代表の高木琢也さんだ。

現在34歳になった高木さんの若手時代を聞いてみると、「俺はカット技術がズバ抜けていたわけじゃなかった。それでも20代の頃は『日本一の美容師になるにはどうすればいいのか』をずっと考え続けていました」と笑って振り返る。

自らを「天才じゃない」と語る高木さんは、いかにして誰もが認める‟カリスマ”の地位を手に入れたのか。20代の頃の試行錯誤を聞いた。

「日本一の美容師になりたい」

俺は20歳で美容室に就職して、シャンプーしかできない時から「日本一の美容師になる」って宣言するような生意気な新人でした。だってどうせやるなら、日本一を目指さないとカッコ悪いじゃないですか。

日本一の美容師になるなら、売上も指名数もダントツのトップにならなければいけないと思ったので、「より満足してもらえるように質を上げて、よりスピーディーに髪をカットしてお客さまの数を増やす」戦術でいこうと考えていました。

本記事は新世代の「働く力」育成メディア20’s type(運営:キャリアデザインセンター)からの提供記事です。元記事はこちら

でも、その考えは先輩や上司たちからはなかなか認めてもらえなかったんです。「ゆっくり切って、お客さまに“丁寧感を演出”しろ」とか、「どんなに素早くカットしても、1カ月で300人以上を対応するなんて不可能だ」って散々注意されて。

いや、あなたたちはそうかもしれないけど、俺は違うから」。ずっとそう思っていましたね。たった10分でも顧客満足度の高いカットはできるはずだし、無駄を削って浮いた時間を使って月500人は切れる。俺にたくさんのお客さまがつけば、他の美容師にも還元できるし店の売上も上がるから、良いことだらけだと思ってたんですけどね。全然認めてもらえなかったんですよ。

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