4月の日経平均株価はジリジリと上昇しそうだ NYダウやS&P500はすでに年初来高値を更新

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桜街道は北へ。日経平均もジワジワ上昇する?(写真:なっちゃん/PIXTA)

アメリカの代表的な株価指数であるNYダウやS&P500が年初来高値を更新してきた。直近は同国の製造業指標が改善を示したことで、過度な景気減速懸念が後退した。4月の日本株は海外勢が買い越す傾向もみられるなか、2つの期日到来から需給改善の期待も高まる。テクニカル面から日本株の見通しを探ってみた。

「米長短金利逆転」は心配しすぎだった?

3月下旬、アメリカの国債市場では10年物利回りが3ヵ月物利回りを下回ったことから、一部の投資家は世界的な景気減速懸念を警戒した。米株式市場でもNYダウが一時2万5300ドル台まで急落したが、チャート上では長期線といわれる200日移動平均線(約2万5200ドル)の手前で下げ止まった。長期投資家にとっては、押し目買いの局面に映ったのかもしれない。

そもそも米金融危機後の長期金利は、世界的な金融緩和で長らく低水準が続いている。長短金利の逆転(逆イールド)や縮小(フラットニング)が起こりやすくなっているなかで、「長短金利の逆転≒景気後退入り」と直ちに判断するのは早計なのかもしれない。

景気動向を判断するうえでは、信頼性の高い10年物と2年物の金利差を注視することも重要といえる。NYダウは2万6258ドルまで回復、年初来高値を更新したが、実は4月のNYダウは過去13年連続(2006~2018年)で上昇している。それだけに2018年10月につけた過去最高値(2万6828ドル)更新にも期待がかかる。

一方の日本株については、「2つの期日到来」が後押ししそうだ。制度信用取引には、「期日」が存在する。6ヵ月後に反対売買(建玉決済)するか、買い方なら現引き(現金買い取り)、売り方なら現渡し(株券差し入れ)する必要があるため、「高値から6ヵ月前後」や「安値から6ヵ月前後」が相場の転換点になることも少なくない。

この話を足元の日本株に当てはめてみよう。1つ目は高値期日だ。日経平均株価は2018年10月2日に高値2万4270円をつけており、2019年4月2日に「高値から6ヵ月目」を通過している。さらに、東証・名古屋の2市場における信用買い残も2018年10月に一時3.1兆円台まで増大していたが、2019年3月には2.3兆円台まで縮小している。日柄(日数)面と需給面の両方で、戻り売り圧力は和らいでいるとの見方もできそうだ。

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