衆参同日選?永田町に吹く解散への疑心暗鬼 日ロ会談、消費増税の決断次第で解散断行も

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7日午後、都内で拓かれた経済3団体の新年祝賀会であいさつする安倍晋三首相(写真:共同通信)

平成時代最後の年明けから、永田町に解散風が吹いている。7月に予定される参院選に合わせて、安倍晋三首相が衆参同日選に打って出るのではないか、との憶測が飛び交うからだ。

首相自身は仕事始めの記者会見などで「(解散は)頭の片隅にもない」と否定を繰り返すが、政界では「首相は常識的判断をしない人だから」(立憲民主党の枝野幸男代表)などと疑心暗鬼が拡大している。年末年始の休暇をゴルフと映画鑑賞、美食で英気を養った首相は「再登板後で最も元気」(側近)とされるが、はたして元旦の夜の初夢は「衆参同日選」だったのかだろうか。

改憲スケジュールは言及せず

首相は昨年12月29日から今年1月3日まで都内のホテルに泊まり、例年以上に休暇を満喫した。ゴルフを3回、映画鑑賞2回、ホテル内のフィットネスに3回通い、家族や親しい友人達相手の夕食では、中華やフレンチの高級店で舌鼓を打ってご機嫌だったという。大みそかと元日の午後には昭恵夫人同伴で映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」と「ボヘミアン・ラプソディ」を鑑賞し、3日には富ヶ谷の私邸で盟友の麻生太郎副総理兼財務相と夕食をとりながら懇談して休暇を締めくくった。

伊勢神宮参拝後、今年の決意を示した4日の年頭会見で、首相はまず「平成」に代わる新元号について「国民生活への影響を最小限に抑える」ことを理由に、新天皇即位の1カ月前の4月1日に公表する方針を正式表明した。新元号の事前公表には自民党内保守派などから不満が出ていたが、関連機関のシステム改修作業など含めた混乱の回避を最優先し、「首相裁定」の形で事前公表を決断した。

一方、悲願の憲法改正については「まずは具体的な改正案を示し、国民的な議論や理解を深める努力を重ねるのが国会議員の責務だ」と衆参両院憲法審査会での論議促進への期待を強調したが、改憲実現への具体的スケジュールについては言及しなかった。その上で、今夏の衆参同日選の可能性を問われると、「そういう声が一部にあることは承知しているが、私自身の頭の片隅にもない」と昨年末から続けている言い回しで否定してみせた。

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