日産社長「権限の過度な集中が不正の誘因に」 ゴーン容疑者が不正を主導

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東京地検特捜部は、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(写真)と同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。ジュネーブで2017年3月撮影(写真:ロイター/Denis Balibouse)

[横浜市/東京 19日 ロイター] - 東京地検特捜部は19日、日産自動車<7201.T>会長のカルロス・ゴーン容疑者と同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。同特捜部は、横浜市の同社本社も同容疑で家宅捜査した。

複数の国内メディアによると、ゴーン容疑者は2011年から15年までの5年間に、99億9800万円の報酬を受け取っていたにもかかわらず、有価証券報告書には49億8700万円の報酬があったと虚偽の数字を記載。合計で約50億円の報酬を過少に記載した。

22日に臨時取締役会を開催へ

日産の西川廣人社長は同日夜に会見し、今回の2人の行為は、専門家から重大な不正であるとの判断を受けており、22日にゴーン容疑者の解職を提案する臨時取締役会を開催すると述べた。

また、今回の不正行為はガバナンス上、ゴーン容疑者に権限が集中し過ぎていたことが誘因だったと指摘し、ガバナンスの再構築に取り組む意向を示した。

同社が19日に公表した文書では、ゴーン会長とケリー氏が、長年にわたり報酬額を過小に有価証券報告書に記載していたことが判明したと指摘。

ゴーン会長には同社の資金を私的に支出するなど複数の重大な不正行為が認められ、ケリー代表取締役も深く関与していたことが判明していると言及した。

この点に関連し、西川社長は、1)報酬額を減額して有価証券報告書に記載した、2)目的を逸脱し、同社の投資資金を使って投資した、3)同社の経費を不正に使用した──の3点を確認したと述べた。

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