インドでiPhoneの人気が急落しているワケ 昨年の300万台から今年は200万台へ

拡大
縮小
インドでのiPhone人気は急落している。なぜだろうか(写真:REUTERS/Francis Mascarenhas)

[ベンガルール(ロイター)]- ソフトウェアエンジニアのサミー・アラムは勇気を出して今週のディワリ祭セールでiPhoneを買うつもりだった。しかし、直前になってより安価な中国の競合製品、ワンプラスに心変わりした。

27歳のアラムは番組を見たり、ネットサーフィンや買い物をしたりするために何時間もスマホをいじるため、13億人の消費者を擁するインドで売り上げ増を目指すアップルにとって格好のターゲットである。

しかし1人当たりの平均所得が年間2000ドル程度のこの国では、今年のiPhoneの新機種の中で最も安い7万6900ルピー(1058ドル)のXRでも多くの競合製品の価格の2倍にもなるのだ。

売り上げの約半分はより安価な旧モデル

香港を拠点とするカウンターポイント・リサーチ社によると、iPhoneの売り上げはその結果落ちていると言う。同社の試算によると今年は4年間で初の売り上げ減となり、販売数は2017年の300万台から200万台にも下がるかもしれないとしている。

売り上げの約半分はより安価な旧モデルによるものであり、インドにおける成長の不足は先週ティム・クックCEOが年末商戦について芳しくない見通しを述べた際に言及した問題点の一つである。

400ドルを超えるスマートフォンが占めるプレミアムセグメントにおいても、第三四半期にはアップルはサムスンと中国のワンプラスの後を追う形となった。

「一度もiPhoneを使ったことがなくて、使ってみたかったけど、どうも納得がいかなかった」とアラムは言う。ベンガルールは南部に位置するインドのシリコンバレーと称される都市で、多数の企業が同市に投資している。アラムはそのうちの一社に勤めている。

次ページインドでの売り上げはワンプラスの2倍
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT