「フォロワーを金で買う人」の愚かすぎる認識 偽アカウントの蔓延をツイッター社も問題視

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フォロワーの売買や、偽アカウントに対する取り締まりをツイッター社が強化している(写真:hocus-focus/iStock)

日本では約4500万人以上が利用しているツイッター。そこでは、「フォロワー数が人気の証」と考えられている。そのためフォロワー数が多いアカウントは、社会的な影響力の大きい「インフルエンサー」として扱われ、企業からプロモーションや講演などの仕事を依頼されることも多い。

ただ、利用者の中には仕事や影響力を得たいがために業者からフォロワーを購入することで、その数を“水増し”する人もいる。筆者が過去に知り合った、読者モデルの女性もそうだった。

彼女が業者から購入したフォロワーは1万人分。購入して、すぐにフォロワー数が激増した。その甲斐あってか、彼女(というよりも彼女のフォロワー数)に興味を持った複数の企業から仕事の依頼も来たという。ただ、そんな好況も長くは続かなかった。というのも、ほどなくして彼女のフォロワー数が「水増ししたもの」だと、企業にバレてしまったからだ。

業者が提供するフォロワーには、「ツイート数がゼロ、あるいは特定の商品や組織を応援する発言が多い」「アイコンに写真がない」「プロフィールが書かれていない」などの特徴がある。こうした不自然なアカウントは「偽アカウント」「業者」「スパム」などと呼ばれている。

また偽アカウントは、フェイクニュースの発信、拡散のために利用されることもある。たとえば、ドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏が接戦した2016年のアメリカ大統領選では、ロシア政府と関係の深い企業が運営する複数の偽アカウントが、事実とは異なる発言やトランプ氏を称賛する発言を繰り返していたことが明らかになっている。

有名人たちもフォロワーを買っている?

こうしたフォロワーの売買や、フェイクニュースの拡散をツイッター社も問題視しており、偽アカウントに対する取り締まりを強化している。

今年7月には、偽アカウントを数千万規模で削除したことが話題を集めた。日本ではアイドルグループ「仮面女子」の神谷えりなさんのフォロワーが45万人減少、海外では歌手のケイティ・ペリーさんやレディ・ガガさんが約250万人、バラク・オバマ元大統領が約210万人のフォロワーが減少した。偽アカウントがどれだけ蔓延していたかがわかる数字だ。

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