国民民主党の玉木代表、支持率1%からの船出 国民的知名度は低く、自民党からはガン無視

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4日の臨時党大会で国民民主党代表に選出された玉木雄一郎氏(右)、大塚耕平氏(中央)、津村啓介氏(左)と握手(写真:共同通信)

同時進行の自民党総裁選と比べて、メディアの注目度の低さが政界での話題となった国民民主党代表選。4日午後、都内のホテルで臨時党大会を開いて、投開票が行われた。大方の予想どおり玉木雄一郎共同代表(49)が対抗馬の津村啓介衆院議員(46)を大差で破って、新代表に選ばれた。

国民民主党の代表選は国会議員に1票2ポイント、国政選挙公認予定者に1票1ポイントを付与し、地方議員、党員・サポーター票と合わせた総ポイント数は284。投開票の結果、玉木氏は204ポイント、津村氏は74ポイントで、ほぼトリプルスコアで玉木氏が圧勝した。玉木氏は国会議員61人中41人の支持を集めるなど、いずれの票でも津村氏を圧倒、無効・棄権は6ポイントにとどまった。

玉木氏の任期は2021年9月末までで、11日の両院議員総会で幹事長などの役員人事を決定して玉木新体制がスタートする。玉木氏とともに共同代表を務めていた大塚耕平参院議員は代表代行に就任する方向で、新体制での党運営の要となる幹事長人事が焦点だ。

党名は国民民主党でも国民的知名度は低い

同党は衆参両院所属議員数(61人)が立憲民主党(75人)に次ぐ野党第2党で、参院では野党第1党。にもかかわらず、党名とは逆に国民的知名度が低く、5月の結党以来、政党支持率は1%前後とミニ政党並みの低迷が続いている。代表選で圧勝した玉木氏は「火の玉になって党勢拡大を」と叫ぶが、党内に離党予備軍を抱えるうえ、立憲民主など他野党との共闘にも展望はなく、掛け声とは裏腹に「低迷脱却は日暮れて途遠し」(国民民主若手)というのが実態だ。

旧民主党以来の宿痾(しゅくあ)とされる政治路線をめぐる党内対立は、国民民主結党後も払拭されず、初代共同代表の玉木氏らが主導した与党寄りともみえる「対決より解決」路線への反発から、代表選告示日には有力議員の離党騒ぎも起こった。

代表選を通じて「対決路線」に軌道修正した玉木氏は、代表選後の記者会見でも「(安倍晋三政権との)論戦の先頭に立ってバッタバッタとなぎ倒したい」とこぶしを振り上げた。だが、与党は「しょせんは負け犬の遠吠え」(自民幹部)などと“ガン無視”の構えだ。野党リーダーの立憲民主の反応もよそよそしいだけに、11日に正式発足する玉木新体制の前途は極めて多難だ。

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