「慶應ボーイ」ブランドが急落した内部事情 かつての賛美が今では「負のレッテル」に

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男子慶大生の複雑な思い(写真:Mugimaki/PIXTA)

「慶應ボーイ」という言葉は、今でも日本中の多くの人に通じる。「東大ボーイ」や「早稲田ボーイ」なんて言い方はないのに、なぜか慶應の男子学生だけにニックネームがあるのである。

しかも、「慶應男」「慶應野郎」などの粗野な呼び名ではなく、英語でカッコよく「KEIO BOY」だ。実際、でっかく「KEIO BOY」とプリントされたTシャツやパーカーを売っているオンラインショップも存在する。それほどまでに慶應ボーイは、華やかで目を惹く存在であり続けてきているわけである。

地味で垢抜けなくても「慶應ボーイ」

「大学はどちら? あら、慶應ボーイなんですね」などと言われて、まんざらでもない気分になったことのあるOBは大勢いるはずである。

ところが、だ。現役慶大生に「さすが慶應ボーイですね」と褒めたとして、彼らが同じ気持ちを抱くかといったら、答えはノーだ。表面的には爽やかな笑顔で「ありがとうございます」と答えたとしても、心の中では、(そんな風には言われたくない)と思っている。

取材中、わりと心を開いてくれた男子慶大生に、「自分たちは慶應ボーイらしいかも、って思うのはどういうところ?」などと質問すると、たいてい嫌な顔をされた。

「イメージが先走っているだけだと思いますよ」

「……止めてくれませんか。そういう決めつけ」

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