依存症に「なりやすい人」「なりづらい人」の差 「連ちゃんパパ」をダメ人間と笑えない理由

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「連ちゃんパパ」を決して他人事だと笑ってはいけない理由とは?(写真:fotoVoyager/iStock)

現代人を悩ます病のひとつに「依存症」があります。たとえばアルコール依存や薬物依存に加えて、ギャンブル依存、ショッピング依存などが有名です。新しいものだとスマホやSNS、ソーシャルゲームに生活に支障が出るほどのめり込んでしまう人も依存症と言えます。

また最近、ネット上で『連ちゃんパパ』というギャンブル依存症の父親が主人公のマンガが注目を集めました。高校教師であった主人公が、あることがきっかけでパチンコにのめり込み、職を失い、借金も膨らみ、自分のみならず子供や周囲の人たちを巻き込んで、どん底まで落ちていく話です。

この漫画を読んだ人は次のようなことを思うはず。なぜ、どん底に落ちるまでパチンコにハマってしまうのか。依存症になりやすい人、なりづらい人はいるのか。そして、自分にも依存症の危険性があるんじゃないかと。

「依存症」は決して他人事ではない

長年、精神科医として様々な依存症患者の相談に応えてきましたが、依存症になりやすい人の性質を言い当てるのはなかなか難しいです。

一昔前は、メンタル疾患と「性格」の関係性について調べる研究が多くありました。例えば、うつ病の場合は「真面目、几帳面、完璧主義の人」がなりやすいと言われていました。逆に「ルーズ、だらしいない、無頓着な人」がうつ病になりづらいかというと、そんなことはありません。だらしない人でもうつ病になる可能性はあります。

どんな人であっても、依存症やうつ病リスクがあると考えたほうがいいでしょう。

とはいえ、連ちゃんパパのようにパチンコにすべてを捧げる人がいる一方で、パチンコ好きでも、あまりのめり込まない人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか? それは「遺伝子」にあります。

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