今時の若者が「上司とBBQしたい」と思うワケ ここ15年ほどで急速に変わってきた

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写真右から正田郁仁(法政大学経営学部2年)、神谷菜月(明治大学経営学部3年)、須田孝徳(早稲田大学大学院 商学研究科 修士1年) (写真:筆者提供)
前回記事で、人手不足で重宝される若者たちが、バイト先でかなり優遇されていることが明らかになりました。『若者わからん!  ―「ミレニアル世代」はこう動かせ―』を著した博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんが、7人の現役大学生たちに「理想の上司」「下につきたくない上司」を聞きます。
前回記事:バイト先で「VIP待遇」を受ける若者のリアル

「見て学べ」はNGだが「成長」はしたい

原田:「こんな社員・先輩がいるバイトは嫌だ」というのはある?

須田:社員さんから怒られたことは1度もないんですが、40歳くらいのパートの男性からは理不尽なことを言われて嫌でした。それで辞めちゃった女性の学生バイトもいます。

原田:つまり学生バイトを雇う会社側としては、社員が学生に優しく接するだけじゃなく、パートさんやバイトリーダーといった中間管理職ポジションに、どう若者と接すればよいかということを、ちゃんと教育しないといけないんだね。企業からすると、これは大変だ。じゃあ君たちが社会人になったとして、「嫌な上司」ってどんな人?

山切:明確に指示してくれない人は嫌です。「荷物、その辺に置いといて」と言われても具体的に言ってくれない。それで適当に置くと「そこじゃない」って言われる……。

樋川:私もホテルのコンパニオンのバイトに入りたての頃、「見て学べ」って感じで、初回からいきなりパーティーに入れられたんですよ。先輩は「私の真似して動いて」って言うんですが、それで間違えて怒られるのは納得がいきませんでした。社会人になってからでも、そういうのは嫌ですね。

正田:自分が仕事に慣れてないうちはちゃんと育ててほしいし、丁寧にアドバイスしてほしいです。

原田:日本社会は昔から「俺の背中を見て学べ」文化だからね。特に年配の男の人はコミュニケーションの苦手な人が多くて、「不器用で寡黙だけど人柄はいい」が美徳になっている側面もある。細かく具体的に指示されたい若者からすると、そういう人はきついだろうね。高倉健さんなんか、今時の上司の理想像からは離れてきているかもね。

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