30年痴漢をし続けた加害者が打ち明けた心情 痴漢常習者は、なぜ捕まってもやめないのか
「痴漢をしているときは、興奮した状態にあったと思いますけど、勃起していないことも多かったんです。だから、性欲を満たすという感じではなかったと思います。なんていうか、女性に触れていることに対して、安心感のようなものがあって……。大学で電車通学が始まってから痴漢するのが日常化して、本当にひどい痴漢を始めたのは社会人になってからです」
30年間、痴漢をし続けてきたという男性。なぜ痴漢をしていたのか、なぜやめられなかったのか。会員登録制ウェブメディア『リディラバ・ジャーナル』が3時間にわたって話を聞いた。
なお、リディラバ・ジャーナルの特集「痴漢大国ニッポン:「社会問題」として考える痴漢」は被害者、加害者、専門家など多様な当事者へのインタビューをもとに10本の記事で構成されている。本記事はその中から加害者へのインタビューを転載したものである。
小学校の頃に妹の身体を触わっていた
ーーいつ頃から痴漢をするようになったんですか。
高校生の頃、数回ですが、バスの中で女性の身体に触れたことがありました。本格的にやり始めたのは大学に入ってから。私は今58歳なんですけど、痴漢で捕まって最後に刑務所から出所したのが48歳なので、30年ぐらい痴漢をし続けていました。通学中や通勤中の電車内でほとんど毎日やっていました。
ーー痴漢のきっかけになるようなことはあったのでしょうか。
きっかけは思い出せないんですけど、女性の身体を触るということで言えば、2歳下の妹がいて、小学校の頃に妹の身体を触わっていたのが最初です。身体というか、もっぱら性器です。妹は抵抗していました。なぜそんなことをしていたのかはわかりませんが、興味本位だったんだと思います。そうした延長線上に痴漢があったのかなと。
痴漢をしていたのも、もともと女性とのコミュニケーションがあまり得意ではなく、女性と会話してお付き合いをするという流れをショートカットして触っていたんだと思います。だから性的な欲求というよりは、女性とのコミュニケーションのつもりでした。
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