子どもが不登校になった親たちが語る「本質」

親同士でないとわからない実態もある

会が発足したころは、「不登校」という言葉さえなかった。中嶋さんは、当時使われていた「登校拒否」の方が本質を突いていたと感じている。

「本当は学校に行きたいのに行けない。それは深層心理が、命が、学校を『拒否』して体が動かないから。真面目でこだわりが強く、自分の純潔を守ろうとしている」。そんな子の心に目を向けず、現象のみをとらえるかのような「不登校」の単語が定着したことによって、「社会が解決の糸口を失っているのでは」と疑問を投げ掛ける。

立ち直るには「まず親が子を受け入れること」

立ち直るには「まず親が子を受け入れること」と中嶋さんは語る。「『学校に行かなくてもいいよ』と言葉を掛ける。でも、うわべだけだと表情ですぐ見抜かれる。本心からそう思わないといけない。そこまで腹をくくるのに5、6年はかかる。それからは先に進む」。他の会員の生の経験や情報に触れることで、価値観が変わって子を受け入れられるようになり、苦しみのトンネルから抜け出した多くの会員を見てきた。

身近な事例は希望につながる。ある会員の子は、小学3年から中学3年まで登校できずにテレビゲームばかりしていたが、その後は高校、大学に進学し、教員になった。「立ち直ってみれば、あれはいったい何だったのかとさえ思えるようになる。そんな話を聞くと大概のお母さんは楽になる。絶望しなくていいんだと分かるから」

ある母親が例会で、不登校問題の当事者となって抱くようになった自分の価値観を語った。「子どもとこんなに向き合える機会はない。今この時間は、将来きっと宝物になるはず」。聞き入っていた周りの親たちが、大きくうなずいた。

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