「AKB総選挙」投票システムが次に目指すもの 国政選挙でもネット投票活用の余地

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AKB総選挙の円滑な投票には、データ管理会社の存在が不可欠だ(写真:共同通信)

【5月6日18時30分追記】記事初出時、ゴンドラ社が2016年のAKB総選挙で構築したシステムに関して、未確認のまま記事化した部分がありました。その点記事内容を削除・修正しています。ご迷惑をおかけした関係者の方にお詫びいたします。

「謹んで今年度の総選挙、第1位を獲得いたしました方を発表させていただきます。指原莉乃!」――。2016年6月、新潟市内で開催された「AKB48 45thシングル選抜総選挙」開票イベント。指原莉乃が総選挙史上初の連覇を達成した瞬間、会場には大きな花火が何発も打ち上がった。

2009年の第1回総選挙から今年で9回目となるAKB総選挙。選挙後に発売されるシングルの参加メンバーをファン投票によって決定する。昨年は参加メンバーの座(80名)を巡って、総勢272名がしのぎを削った。アイドルがうれし涙や悔し涙や流す真剣勝負はもはや毎年の恒例行事だ。

総選挙を支えるシステム

華やかな総選挙を支えるのが、インターネットでのデータ管理事業を営むパイプドHD(ホールディングス)グループだ。2011年の第3回選挙からグループ企業がAKB総選挙のシステム構築、運営や集計業務を担っており、昨年の第8回は傘下のゴンドラ社が担当した(第9回は未公表)。

AKB総選挙では、公式ファンクラブ会員やシングルCD購入者に対して投票権が付与される。CDには投票に必要となるシリアルナンバー(16ケタ)が同封されており、ナンバーを入力することで投票サイトにアクセスできる。あとは投票したいメンバー名を選択すれば投票は完了する。昨年は5月31日から6月17日までの投票期間に、総数325万票が投じられた。

このような膨大なアクセスへの対応、また不正投票などに対するセキュリティ対策などを講じることで、毎年ファンが増え続ける中でも、総選挙イベントを続けることができているのだ。

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