ハウステンボスの分譲住宅が高く売れるワケ

テーマパーク隣接の住宅で何が起きている?

一戸建てにも共益費!? 資産価値アップの鍵

画像を拡大
港町の漁師の家をモデルに設計した家屋。「窓は縦長」「外壁の色調は白系かグリーン系」など、すべての戸建住宅のデザインは建築協定をもとに設計されている。電柱は地下に埋め込まれているため、映画のセットのような風景が広がる(写真撮影:岸本みなこ)

「運河と緑に囲まれた美しい住宅環境が一番の魅力ではないでしょうか」。そう話すのはハウステンボス・技術センターの岳本忠晴さんだ。「国内の海際の土地は、家を建てようとしても台風や高潮対策として防波堤などがあり、国の管理地となっているのが一般的です。しかしワッセナーの場合、外海は湖のように穏やかな大村湾。住宅前の運河は、水門の開閉によって運河の水位を一定に保つだけでなく、水質も管理しています。護岸はコンクリートではなく、自然石を積み上げ、自然と調和した美しい住環境をつくり出しています。このような恵まれた環境は、日本中探してもそうそうありません」
それに加え、建築協定による家屋のデザインの統一や緑化協定による植栽の管理規約が設けられていることにより、開発当初から景観が維持され、23年たった今でも魅力的な街並みが広がっている。

画像を拡大
共益費によって管理されている運河は全長約6km。4日間で水が循環するようにつくられているため磯臭さがほとんどなく水が透けて魚が見えるほど。護岸もコンクリートではなく石積みにして微生物の住処をつくるなど、できるだけ自然な形でつくられている(写真撮影:岸本みなこ)

ワッセナーの住環境を維持するために必要なのが、各住戸からの共益費。一般的にマンションでは共益費があるが、一戸建てで共益費がある場合はほとんどない。ワッセナーではマンションだけでなく、一戸建てを含めて各住居に共益費があり、家屋の大きさによって月2万〜5万円ほどの負担がある。「海や樹々に囲まれたこれだけの環境を維持するためには、決して高いとは言い切れないと思います。入居しているみなさんにもご納得いただいており、共益費によって管理することで資産価値が高まり、結果的に物件価格の上昇につながっているのではないでしょうか」と岳本さん。
確かに、金額だけ聞いたら高いと感じる。しかし、街の中は電柱もなく道端にはゴミもなく、まるで公園のなかに住んでいるような日常風景。運河の水質も良好に保たれており、不快なものが何一つ見当たらない環境に住めるのなら、この費用は思わず納得してしまう。

次ページより魅力ある街をつくるために
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
  • 夢を諦めない「脱会社員の選択」
  • 忘れえぬ「食い物の恨み」の話
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT