資産防衛の選択肢。金は世界で買われ続ける「安全資産」

山崎怜奈(以下、山崎) 2025年は金価格の上昇を伝えるニュースをよく目にしました。そもそも、なぜ金は長期的に値上がりしているのでしょうか。
池水雄一(以下、池水) 金そのものの価値が高まったというより、通貨の価値が下がってきたと考えるほうが実態に近いでしょう。
1971年まではドルの価値が金によって裏付けられていましたが、その仕組みがなくなって以降、各国は経済状況に応じて通貨を増やせるようになりました。一方、金は急には増やせません。通貨の量が増えるほど、同じ量の金を買うために必要なお金が増え、金価格が上昇するのです。
山崎 長期的には価値を保ちやすい一方、金の価格は日々変わりますよね。どのような要因が影響するのでしょうか。
池水 短期的には、地政学リスクやアメリカの金融政策が大きく影響します。不安が高まると金は買われやすくなりますが、危機が深刻になると、現金を確保するために売られることもあります。また、アメリカの金利が上がると、利息のつかない金よりドルや債券が選ばれやすくなります。
山崎 金だからといって、価格が下落しないわけではないのですね。それでも「安全資産」といわれるのはなぜでしょうか。
池水 特定の国や企業の信用に依存していないからです。企業が破綻すれば株式は価値を失う可能性があり、国の信用が揺らげば通貨の価値も下がります。しかし、金は国や企業が発行するものではなく、大きな危機でも価値がゼロになりにくい点が強みです。
ただし、保有していても配当や利息は得られません。資産形成の中心は株式や投資信託でよいと思いますが、それらとは異なる性質を持つ金を加えることで、リスク分散につながります。
山崎 株か金かではなく、両方を持つのですね。私はコロナ禍の23歳の時に投資を始め、生活防衛資金を現金で残しながら、資産は投資信託や外貨などとで分けています。毎日チャートを見る余裕がないので、長く持って、あまり触らない方法が自分には合っています。
池水 20代前半で始められたのはとても有利ですよ。長期投資は、時間を味方につけられることが何よりの強みです。短期で大きく儲けようとせず、長く続ける山崎さんのスタイルは、金とも相性がいいと思います。
完璧な買い時を待たない。手軽になった金投資の始め方
山崎 金の価格が上がっていると「今すぐ買わなきゃ」と焦るのに、いざ下がると怖くなって買えない心理になりがちですよね。私は「石橋をたたいて、たたいて、ひびが入ったら、すり足で渡る」くらい慎重なタイプなので(笑)、毎日の値動きを見ながら売買する方法は向いていない気がします。
池水 山崎さんのようなタイプには、積み立てが合っていると思います。多くの投資家は、価格が上がると強気になり、下がると不安になりがちです。毎回、自分で買うタイミングを判断しようとすると、どうしても感情に左右されてしまいます。
毎月、あるいは毎日、決まった金額を自動的に購入するよう設定すれば、価格の動きに振り回されにくくなります。未来の価格は誰にもわかりません。完璧な買い時を当てようとするより、無理なく続けられる仕組みをつくることのほうが大切です。
山崎 なるほど。金投資というと、延べ棒やコインを買って、自分で保管するイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
池水 投資を目的とするなら、現物よりも金価格への連動を目指す投資信託やETFのほうが始めやすいでしょう。投資信託は、集めた資金を運用会社がまとめて運用する商品です。ETFはその一種で、証券取引所に上場しており、株式と同じように売買できます。
現物は購入や保管に手間がかかります。少量で買う場合は、加工や販売にかかるコストも上乗せされるため、小さなサイズほど重量当たりの価格が割高になります。
その点、投資信託やETFが登場したことで、証券口座を通じて、株式と同じような感覚で金に投資できるようになりました。個人投資家だけでなく、年金基金などの機関投資家も金を買いやすくなり、金投資が広がるきっかけにもなりました。
山崎 投資信託やETFなら、現物を保管する手間を省きながら、少額から始められるので便利ですね。
投資商品はどう選ぶ? 価格より先に考えたい「持つ目的」
山崎 投資信託とETFは、どのように使い分ければいいのでしょうか。
池水 投資信託は、1日に1回決まる基準価額で購入します。市場が開いている間、値動きを追い続ける必要がないため、毎月一定額を積み立てたい人や、相場を頻繁に見ない人に向いています。
一方、ETFは株式と同じように市場が開いている時間に価格が動き、その場で売買できます。「今日は下がっているから買おう」と、自分でタイミングを判断したい人にはETFが使いやすいでしょう。
山崎 私のように、毎日チャートを見ずにコツコツ積み立てたい人には、まず投資信託が合いそうですね。
池水 繰り返しになりますが、未来の価格は誰にもわかりません。底値を当てようとするのではなく、長期の資産分散が目的なら、少額から積み立てればよいと思います。高いからと焦る必要も、もう遅いと諦める必要もありません。
基本は投資信託や純金積み立てなどで毎月機械的に積み立てていくのが現実的です。そのうえで、相場が一時的に下がる場面があれば、自分の判断でETFを追加で買う。そうした二段構えも考えられます。
長期保有するなら、商品の運用や管理のために保有中にずっと差し引かれる手数料(信託報酬)が低いことも重要です。また、純資産総額がある程度あり、安定して運用されているかも見ておきたいですね。

山崎 NISAの対象かどうかも確認したほうがよいですか。
池水 金の投資信託やETFにもNISA対象商品があります。売却益などが非課税になるため、まずはNISA口座で購入できる商品から探すのも一つの手です。
山崎 少額ずつ積み立てて長く持つなら、始めるタイミングを気にしすぎなくてもよさそうですね。一方で、長期保有した金をいつ売ればいいのかも気になります。売り時はどのように考えればよいのでしょうか。
池水 私は基本的に売りません。金は「必要なときに使うための資産」と考えているからです。現金が必要になった場面で売ればよいと思っています。
値上がりしたからという理由だけで売ってしまうと、そのお金をどう使うか決まっていないまま現金に戻すことになり、結局また投資先を探すことになります。
山崎 なるほど、利益が出たから売るというより、「使う目的があるときに売る」と考えればいいのですね。期限を決めるよりも、長く持ち続けて、必要なタイミングで使うという考え方のほうがわかりやすいです。
池水 まさにそうです。金は短期的な利益だけを狙うものではなく、長い時間をかけて資産を守るためのものです。価格の上下に一喜一憂せず、自分の資産の中で金にどのような役割を持たせるのかを考えることが大切です。
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SPDRゴールド・トラストはGLDに係る、そしてワールド・ゴールド・トラストはGLDMに係る(目論見書などの)届出書面をそれぞれ証券取引委員会(「SEC」)に届け出ています。各ファンドとも1940年投資会社法(「1940年法」)の下で登録された投資会社ではありません。そのため、各ファンドの投資主には1940年法の下で登録された投資会社の株式保有に伴う保護がありません。GLDおよびGLDMは1936年商品取引法(「CEA」)の規制対象ではありません。そのため、GLDおよびGLDMの投資主にはCEAが提供する保護がありません。各ファンドの受益権は株式のように売買され、投資リスクがあり、時価が変動します。GLD受益権およびGLDM受益権の価値は、各ファンドが保有する金の価値(経費控除後)にそれぞれ直接関係しており、金価格の変動が受益権への投資に大幅に不利な影響を与える可能性があります。時価で売買される受益権の売却に際して受け取る価格は、受益権が表象する金の価値よりも多い場合も少ない場合もあります。いずれのファンドもインカムを生じず、各ファンドは継続的に発生する経費を賄うべく金を定期的に売却するため、各ファンドの受益権が表象する金の量は時間の経過とともに相応分減少します。MiniShares®はWGC USAアセット・マネジメント・カンパニーLLCの登録商標であり、WGC USAアセット・マネジメント・カンパニーLLCの許可を得て使用しています。
投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建て資産には為替変動リスクもあります)を投資対象としているため、お客さまの資産が当初の投資元本を割り込み、損失が生じることがあります。基準価額の変動要因には、金の価格変動リスク/為替変動リスク/流動性リスク/信用リスクがありますが、リスクはこれらに限定されるものではありません。投資信託は1.預金等や保険契約ではありません。また、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。加えて、証券会社を通して購入していない場合には投資者保護基金の対象にもなりません。2.購入金額については元本保証および利回り保証のいずれもありません。3.投資した資産の価値が減少して購入金額を下回る場合がありますが、これによる損失は購入者が負担することとなります。
(売買手数料)取扱いの金融商品取引業者の定める売買手数料がかかります。
(SPDR®ゴールド・シェア[GLD、1326]、SPDR®ゴールド・ミニシェアーズ[GLDM]の信託にかかる費用)管理会社・受託銀行に支払う報酬、マーケティング・エージェントに支払う報酬、監査費用等があり、それぞれ年率0.40%、0.10%(GLDおよび1326、GLDM、2025年9月末時点)です。その他ETFを保有する際には、それぞれ個別に定められた費用がかかります。これらの費用は、運用状況等により変動するものであり、事前に上限額を示すことができません。当ETFの運営費用は将来にわたり変更される可能性があります。※取得のお申込みに当たっては、必ず上場有価証券等書面またはその他の開示書類の内容をご確認の上、ご自身でご判断下さい。※購入のお申込や売買手数料等につきましては、当ETFを取り扱い金融商品取引業者(証券会社)までお問い合わせ下さい。
(ステート・ストリート・ゴールド・オープン(為替ヘッジあり/為替ヘッジなし)の運用にかかる実質的な信託報酬)年率0.2925%程度*マザーファンド受益証券を通じて投資する投資対象上場投資信託証券の管理費用等年率0.10%を含めた実質的な信託報酬率の概算値です。ただし、この値は目安であり、投資対象上場投資信託証券の実際の組入れ状況等により変動します。
LBMA金価格は、ICEベンチマーク・アドミニストレーション・リミテッド(IBA)によって管理および公表されており、SPDR®ゴールド・シェア、SPDR®ゴールド・ミニシェアーズ、ステート・ストリート・ゴールド・オープン(為替ヘッジなし/為替ヘッジあり)、ステート・ストリート・スパイダー・ゴールドETF(
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第345号
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