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新規開拓一辺倒の営業が見落とす「商談獲得ルート」。失注・休眠顧客リストを「資産」に変える意外な方法

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失注・休眠顧客は年々増えていく。それをどう掘り起こすかがカギといえる
  • ラクス 制作:東洋経済ブランドスタジオ
「新規開拓を続けても、一向に商談数が伸びない」。そう悩む営業担当者は少なくない。そのような状況になると、「失注・休眠顧客」のフォローや掘り起こしを始めがちである。しかし、期待していた成果につながらず頓挫してしまうケースがほとんどだ。ピンポイントで顧客が再検討を始めたサインを捉えて、商談につなげるにはどうしたらいいのか。意外にも、アナログなものになりつつある「メール」が有効な手段だという。

「失注・休眠顧客リスト」に眠る、多数の商談チャンス

営業組織が新たに契約を獲得するルートは、大きく分けると「新規開拓」と「過去に接点を持った見込み客の掘り起こし」の2つだ。商談数が足りないとき、多くの営業担当者は新規開拓に力を入れようとする。しかしそこには、大きな課題が隠されているという。営業・マーケティングに詳しいラクスの石川太郎氏はこう語る。

「多くの営業組織では新規開拓が優先され、失注や検討が停滞している見込み客へのアプローチは後回しになっています。失注・休眠顧客を放置することは、未来の優良な商談チャンスを見過ごすことと同義です。一度受注にならなかったからといってリストを眠らせておくのは、過去に投じてきた営業コストを捨てるようなもの。これは多くの営業組織が抱える課題です」

ラクス 楽楽メールマーケティング事業統括部/インサイドセールス課/課長
石川 太郎

仮に、毎月100件の新規問い合わせを得て、20%が商談になり、そのうちの30%を受注したとする。この場合、受注は6件だ。残る94件は、その時点では契約に至らない。翌月も同じ活動を続ければ、未成約の見込み客はさらに積み上がる。

石川氏はさらにこう続ける。「こうした顧客のすべてが、自社の商品やサービスに関心を失ったわけではありません。『予算が確保できなかった』『社内の優先順位が変わった』『担当者が別の業務で忙しくなった』など、別の事情によって検討が止まることもあります。時間が経てば状況が変わり、再び検討が始まるケースは少なくありません。

ところが、新規の開拓にばかり目を向けていると、こうした過去の見込み客へのフォローが途切れてしまいます。結果として、再検討が始まったシグナルに気づけず、競合他社に案件をさらわれるというケースを数多く見てきました」。

この非効率な循環から抜け出すには、失注・休眠顧客の掘り起こしを、新規開拓に続く「商談獲得のもう1つの柱」として仕組み化することが必要だ。

再検討のシグナルをつかむ「メール」の使い方

それでは、大きなリソースをかけずに失注・休眠顧客の掘り起こしを効率化するにはどうすればいいのか。石川氏は「定期的なメール配信こそが有効」と述べる。

「メールで接点を維持し、見込み客に再検討の兆候が表れたタイミングを検知することでアプローチ先を的確に絞り込むことが重要です。仮にメール送信直後に問い合わせが来なくても、効果がないわけではありません。

見込み客に自社を思い出してもらい、検討が再開した兆候を捉えることこそがメールの持つ役割です。見込み客の行動変化を把握して、限られたリソースを『今、関心が高まっている相手』へ集中させることがポイントです」

見込み客のニーズには波がある。メール配信を続けることで、ニーズが高まったタイミングを捉えることができ、受注につながる

とはいえ、メールマーケティングは工数がかかると思われがちだ。定期的なメール配信を続けるのはハードルが高く、面倒に感じたり少し取り組んで「成果につながらない」と諦めたりする人が多い。しかし、メールの役割を「検討再開の兆候把握」へ変えることで、活用法は変わる。

石川氏が提案するのは「失注・休眠顧客向けに、週1回程度の情報提供メールを配信すること」だ。シンプルな内容の配信で接点を維持し、自社の存在を見込み客の記憶に植え付ける。こうして、再検討の際に真っ先に思い出してもらえる土台をつくるのだという。

「メール配信のハードルを高く感じるのは、『いいメール=作り込んだメール』であると思い込んでいるからです。文面のテンプレートを使って、お役立ち情報や事例の紹介、セミナーの案内などを週1回程度ローテーション配信するだけでも、見込み客の行動変化を検知するには十分な効果が得られます。

毎回時間をかけて文面を作り込む必要がなければ、限られた人員でも継続できるでしょう。見込み客が検討を再開したときに、自社を最初に思い出してもらえれば、自然と商談候補になりやすくなります。まずは配信のハードルを下げて細く長く接点を維持し続けることが重要です」(石川氏)

「サイトを来訪」「久しぶりにメールをクリック」がカギ

では、そうして配信したメールをどのように活用すればいいのだろうか。

「アプローチは2つに分かれます。1つ目は、メールを受け取った見込み客が、自社のWebサイトを訪れたタイミングで連絡する方法です。とくに製品紹介や料金ページなどの閲覧は関心が高まっているサインであり、アプローチを決める手がかりになります。検討意欲の高い見込み客から商談を獲得できるので、商談後の受注率の向上に直結します」(石川氏)

Webサイトへの来訪を捉えて架電すると、未成約顧客にリスト順に架電した場合と比べて、接触率、アポ率、受注率のすべてが数倍に跳ね上がる(同社調べ)

「2つ目は、再検討サインである『久しぶりのクリック』を察知する方法です。直近10通のメールに一度も反応しなかった顧客が久しぶりにクリックした場合、再検討が始まった可能性が高いと考えられます。例えば社内で予算が取れたり方針が決まったりと、外部要因があったと予想できます。

また、定期配信だけでなく、メールで直接アポイントを打診するアプローチも効果的です。その際のコツは、初回配信で未開封だった人への『再配信』です。受信タイミングが悪く見落とされたメールを改めて届けて、読んでもらう機会を増やします。

実際に私たちが、未成約顧客約6000件に対して四半期に1回、シンプルな商談打診メールを送り、未開封者へ再配信を行ったところ、全体の開封率は23%に上りました。そして22件の返信から5件のアポイントを獲得できました」(石川氏)

ラクスの実績でも、久しぶりにクリックした顧客は、直近で1回以上クリックしていた見込み客よりもアポ率、アポ後受注率ともに高くなった(同社調べ)

新規のテレアポや飛び込み営業で5件のアポイントを獲得しようとすれば、膨大な時間と精神的負担、そして行動量が求められる。一方で、手元のリストにシンプルなメールを送るだけで同様の成果が得られたのだから、メール配信のメリットは明らかだ。

メールは“送ることが重要”、作り込む必要はない

こうしたメール配信の運用は、ラクスが提供する「楽楽メールマーケティング」で実現できる。メール文面はテンプレートを活用して作成、機能紹介や活用事例、調査コンテンツなどをテーマ別に配信できる。導入時には、操作方法だけでなく、メールの件名や本文の作り方、担当者の負担を抑える配信方法などについても支援しているという。

「見込み客の関心が動いたタイミングを捉えて、営業担当者のアプローチにつなげられることが大きな特徴です。複雑な運用をする必要はありません。まずは見込み客のリストを整理し、既存コンテンツで定期配信を始める。そのうえでWeb来訪や久しぶりのクリックがあった顧客に連絡する流れで十分です。

当社自身、電話のみの営業活動から、電話と『楽楽メールマーケティング』の併用にシフトしたところ、1年でアポ数が4.5倍になりました。また分析や検証業務を自動化でき、結果的に作業時間が70%ほど減少しました。

とくにお勧めしたいのは、新規開拓のみの営業に限界を感じており、リソースも少ない営業部門です。新規開拓だけでは商談数を補いにくい一方、掘り起こしに割ける人員も少ない。そうしたチームにこそ、もう1つの商談獲得ルートとしてメールを生かす余地があります」(石川氏)

見込み客の再検討シグナルを的確に捉えれば、手元の失注・休眠顧客リストは貴重な資産に生まれ変わる。新規開拓に続く「第2の武器」として、やはりメールは選択肢から外せない存在である。

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