不動産の課題を解消するプロダクトが成長を牽引
不動産取引の世界は、紙や電話、対面でのやり取りが根強い。管理会社・仲介会社・オーナーの間でアナログな手段で情報が行き来し、空室確認や申し込み対応にタイムラグが生じることもある。GA technologiesは、そうした不動産業界にAIとテクノロジーで変革を起こしているテクノロジーカンパニーである。
グループの主力事業は、AI不動産投資サービス「RENOSY(リノシー)」と、不動産会社向けプラットフォーム「ITANDI(イタンジ)」。RENOSYは、「投資する」「貸す」「売る」という不動産投資の一連のプロセスをオンラインで可能にするサービスだ。不動産による資産形成を、NISAやiDeCoと並ぶ資産形成の選択肢の1つとして、より身近なものにすることを目指している。独自のアルゴリズムによる物件選定や、手続きのデジタル化により、不動産の不透明性を解消してきた。初期は20代後半〜30代を中心に支持されてきたが、現在では40〜50代にも裾野が広がっているという。
一方のITANDIは、不動産会社の現場に残る非効率を解消する不動産会社向けプラットフォームだ。現在、店頭の貼り紙や住まい探しのポータルサイトに並ぶ情報の多くは、人力で更新されている。管理会社が持つ空室情報を仲介会社へ共有し、申し込み状況や条件変更をその都度反映するという、細かなやり取りの積み重ねで成り立つ。ITANDIは、こうした物件情報の共有や入居申し込みの手続きをデジタル化し、管理会社と仲介会社が同じ情報をスムーズに扱える環境を整えている。
業界の課題を解消する独自のプロダクトが牽引し、業績も成長基調にある。2025年10月期の売上収益は、連結で2489億4700万円となり、前年を大きく上回った。RENOSYは物件購入後の管理、売却、再投資まで関係が続くため、収益が一度きりで終わりにくい。ITANDIも、管理会社と仲介会社をつなぐ仕組みとして利用が広がり、不動産業界のインフラとして存在感を高めている。結果として、同社全体のコア事業利益率は16.5%へ上昇した。
こうした成長を支えるのが、多様な人材の集積である。従業員数はグループ全体で約1700人に達し、職種は採用上の分類で100種類ほどに及ぶという。仕入れ、販売、管理、売却、契約、プロダクト開発、AI活用、データ、研究開発など、不動産事業をデジタルで動かすために必要な機能を社内に抱えている。テクノロジー領域でも、エンジニア、プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、データサイエンスの人材などが、不動産業界を変革する面白さに引かれて集まってきている。
Interview
ビッグテックの最前線から、紙と電話の不動産業界へ
その一人が、2024年にGA technologiesにジョインし、CTOとして技術力と開発体制の強化に取り組む後藤正徳氏である。学生時代からオープンソース活動に関わり、ビッグテックで世界規模で使われるトップ画面のさまざまな機能やサービスを一から新規立案・開発してきた後藤氏は、なぜ不動産テック(PropTech)の世界に飛び込んだのか。後藤氏へのインタビューからさまざまなプロフェッショナルが集う理由を探る。
――GA technologiesとの出合いについてお聞かせください。
(Chief Technology Officer)
後藤 正徳氏
2001年、東京工業大学大学院にてAIの研究に従事し、卒業後、富士通研究所にてストレージや高性能コンピューティングの研究を行う。オープンソースソフトウェアへの貢献も積極的に行い、LinuxカーネルやDebianプロジェクトなどを通じ日本における普及に尽力。06年よりグーグル合同会社に入社し、エンジニアとしてGoogleマップの初期からその開発に取り組む。以来、日本向け新機能開発のみならず、トップ画面にある様々な機能の新規開発などに携わり、技術開発本部長として大規模データ処理や機械学習から、ユーザー体験に至るまでチームを統括・指揮し、日本をはじめ世界で使用されるサービスに従事。24年、GA technologiesに参画。
もともとコンピューターが大好きで、学生時代からオープンソース活動に関わり、テクノロジーで世の中をよくしたいという思いを持ち続けてきました。キャリアを重ね、自分の将来についてじっくり考えていたタイミングで出合ったのがGA technologiesです。代表の樋口龍が掲げる「世界を前進させる」「テクノロジー×イノベーションで驚きと感動を生み続ける」「世界のトップ企業を創る」というパーパス・ミッション・ビジョンは、自分がずっと大切にしてきた考えと深く重なるものでした。
――GA technologiesで、どのようなことを実現したいと考えられたのでしょうか。
銀行や証券・保険はインターネットによって大きく変わりましたが、不動産業界は今もFAXや電話など、アナログな商習慣が根強く残っています。それにより、情報の非対称性や手続きの複雑さという課題が解決されないままです。衣食住の「住」を担う巨大な産業でありながら、テクノロジーが十分に浸透していない領域であるという点が、まさに自分の力を注ぎ込みたいと思えるフィールドでした。当社が目指す「ネット完結・AIが支える不動産体験」は、まさにこの業界を透明化するカギとなります。最終的には、「ワンクリックで誰もが簡単かつ安全に不動産を取引できる時代」を、この会社のプロダクトを通じてつくり上げたいと考えています。
――不動産にテクノロジーが入りづらかった理由はどこにありますか。
物件ごとの個別性の高さや取引金額の大きさ、そして関与する人の多さが背景にあります。例えば、「ペット可」と書かれていても、どんなペットならよいのか、細かい条件があるのか、といった情報の複雑さもあります。住所、面積、価格のようにデータベース化しやすい情報もあれば、契約書、図面、謄本、重要事項説明書のように、文章や画像の形で存在する情報も多くあります。しかも物件ごとに条件が異なり、例外も少なくありません。
従来のテクノロジーでは、こうした非構造化データを十分に扱うことが難しいという技術的課題がありました。しかしAIの登場によって、状況は変わりつつあります。紙やPDFに埋もれていた情報を読み解き、業務や取引の判断に生かせる可能性が広がっているのです。
リアルな世界を変えるからこそ、挑戦の余地がある

――前職の経験は、どのように生きていますか。
前職では、デジタルの地図を進化させる、つまり現実に存在する場所を仮想空間に作り、体験化させる仕事をしていました。その面白さを体感してきたからこそ、次のステップとして現実世界をよりよくすることに深く踏み込んでいきたいという思いが強くなりました。だからこそ、デジタル化の課題が多く残る不動産を舞台に選んでいます。
――入社後、視野が変わった部分はありますか。
私はずっとテクノロジー一筋でキャリアを積んできましたが、不動産はテクノロジーだけで完結する世界ではありません。テクノロジーとリアルの両方を同時に変えていく必要があります。RENOSYがオンラインで不動産投資を完結できるサービスになったのも、テクノロジーだけでなく、ビジネス側のオペレーションそのものを変えたからこそ実現できたことです。テクノロジー側が体験を向上させるプロダクトを作り、リアル側が業務の進め方を刷新することこそが、この仕事の醍醐味だと実感しています。テクノロジーカンパニーでありながら、現場のオペレーションや商習慣とも真剣に向き合うことに難しさもありますが、大きな挑戦の余地があります。
――どんな人材が集まっている会社ですか。
バックグラウンドは多様です。誰もが知る巨大サービスの開発に関わってきたエンジニア、データ領域で実績を持つ人材、グローバル展開を経験してきたトップの営業人材など、それぞれが専門領域だけでなく、業界全体をどう前進させるかを考えていますね。また、7つの国と地域でビジネス展開していることもあり、色々な価値観の中で、互いを尊重し合う文化があるのも強みです。
さらに、新卒にも大きな仕事を任せる「抜てき」の文化があり、年齢に関係なく挑戦できるフラットな組織。私自身もさまざまな人から日々新たな発見をもらっています。「成し遂げよう」という雰囲気があるところ、また、すれ違いざまにあいさつや笑顔が飛び交う職場の雰囲気も魅力ですね。
――これからどんな人と一緒に働きたいですか。
まず当社のパーパス・ミッション・ビジョンに共感してくれる方、そして強い成長意欲を持った方に来ていただきたいです。RENOSYではAIを活用した不動産投資という形で資産形成の体験そのものを変えています。 ITANDIでは、国内における賃貸住宅の入居申込の約4割※がITANDIを通じて行われるなど大きなシェアを誇り、不動産取引に関する膨大なデータが日々蓄積されつつあります。テクノロジーに造詣が深い人も、ビジネスを変えていきたい人も、日本だけでなくグローバルなスケールでも、それぞれが活躍できるフィールドがあります。これまで交わってこなかった領域が交わるからこそ、アイデアの種は尽きません。「不動産という巨大産業をテクノロジーでどう変えていくか?」―この問いを考えることにワクワクする方と、ぜひ一緒に挑戦したいと思っています。
リアルをテクノロジーで変革する、大きな挑戦がここに。キャリア採用ページはこちら

