危ない求人票に仕掛けられた罠を見抜く方法

給与欄はここをチェックしよう

しかし、現実にはこうした「固定残業代制」を悪用し労働者を定額で「使い放題」する企業は多い。つまり一定の「手当」さえ払えば何十時間、何百時間残業しようとも、追加で残業代を払わない、というやり方だ。

会社がわざわざこのような労務管理をとる理由は明白で、ひとつが見かけの給与高くみせ、入社希望者を増やすことだ。もうひとつが、残業代の支払いを曖昧にして、あたかも「合法的に」残業代を払わずに長時間労働に追い込もうとする意図である。

しかし繰り返すように法律上は、その給与には残業時間を含み込まれているので、実際の時間あたりの給与はかなり低く抑えられているし、残業代の支払いも、規定の残業時間を超えた分は払わなければいけない。

つまり、固定残業代制とは、始めから求職者を「騙すため」に採用されている制度なのだ。だからこそ固定残業代制はもっとも典型的な「求人サギ」と言われている。

ちなみに、固定残業代制の手当は「残業手当」や「固定残業代」という名前以外にも、「現場手当」「OJT手当」「営業手当」など無数にある。そのため、とにかく求人票に、よくわからない「手当」が書いてあったら注意が必要だ。

「手当」すら求人票に書かない企業の騙しの手口

また、最近ではそうした「◯○手当」とすら書かない求人も増えている。

ある不動産会社の事例をあげよう。

■case1新卒入社3カ月で、中堅不動産会社に勤める方からの相談
求人票には「基本給30万円+歩合給」とあり、勤務時間は「9時15分~18時30分」「完全週休2日制」となっていた。
ところが、実際には月150時間以上の残業を命じられた。入社後の給与明細には「基本給15万円」「固定割増手当15万円」との記載だけがあった。固定残業代については契約時の際にも説明がなく、契約書にも記載はなかった。

 

もはや、給与の実に半分が固定残業代となっている異常な事態だ。しかも求人の段階ではただ単に「基本給30万円」とあるだけで、残業に関する手当と一切書かない。明らかな「詐欺」である。

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