脱常識?家中カーペット暮らしは快適だった
実は誤解されていることも多い

急に秋が深まり、暖房器具が恋しい季節がやってきた。エアコンやコタツ、ホットカーペットもいいけれど、いっそのこと床全体をカーペット敷きにするのはどうだろうか? 実は誤解されていることも多い、カーペット暮らしの魅力をご紹介しよう。
激減したカーペット敷きの部屋、その理由は?
自宅のリビングダイニングや居室の床はどうなっているだろうか? フローリング派が大多数で、畳派は少数、カーペット派はほとんどいないのでは? 近年の分譲マンションの床はフローリング仕様が多く、カーペット敷きの部屋はほとんど見掛けなくなった。
昭和の時代、家の中ではカーペットが大活躍していた。応接間のソファセットの下や、子ども部屋のベッドと勉強机の下にはカーペット敷きが普通だった。「畳と布団」の部屋から「ベッドとカーペット」の部屋に移れたときはとてもうれしかったことを覚えている。畳からカーペット、そしてフローリングへ……いつの間に、なぜ変わってしまったのだろう?

カーペットルーム株式会社ブランドマネージャーで、All About「カーペット・絨毯」ガイドでもある堀田将矢さんに、その背景を伺った。
「カーペットはホコリやゴミがたまり健康によくない、というネガティブなイメージが広まったことが減少した要因のひとつ。ホコリはアレルギーの遠因とも言われるので、避けられるようになったのでしょう。一方で、音の問題を抱えていたフローリング用木質系床材の防音機能が高まったこともあり、日本の住宅でも一気にフローリングが主流になりました。しかし、誤解されていることも多いのです」
キッチン、洗面室まですべてカーペット敷きの住まい!
「百聞は一見に如かず」と、訪ねた堀田さんのご自宅は、完成後1年も経っていない新築の一戸建て。「カーペットの床で暮らす魅力を伝えるモデルハウスにしたいという思いもあり、自宅の建て替えに際して床材はほとんどすべてカーペット敷きにしました」と堀田さん。さっそく家の中を案内していただいた。
玄関を開けると、そこから“カーペットのおうち”が広がっていた! 玄関ホール、階段、廊下、リビングダイニング、そしてキッチンから洗面室まですべてカーペット敷き。スリッパを履かずに動いてみると、足裏に伝わる繊維の感触が気持ちいい。そして、床を足指でつかんでいるというフィット感、すべらない感覚が新鮮であり、懐かしさも感じる。