オーガニックを日常に!「my農家制度」の挑戦 安心・安全が「高級品」の時代は終わった

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「オーガニックは高い」という常識を変えるべく、奮闘しているママがいます!

食の安全や健康意識の高まりから、注目が集まる「オーガニック」。主に農薬・化学肥料不使用の農産物、添加物を使用していない食品等を表す言葉として広く使われるようになったが、生活にゆとりのある人が選ぶ「高級品」というイメージも根強い。

そんな中、オーガニックの農産物を安く購入できる仕組みを作りあげた女性が福岡にいる。Kimama Clubの代表を務める中園由紀子さんは、現在2児の母。以前から食に関心を持っていたが、子どもが生まれてからは「安全なものを食べさせたい」という意識がより高まったという。

オーガニックを当たり前にしたい

しかし、自然食品店で売られている無農薬の米や野菜は価格が高く、これだけで毎日の食を支えるのは難しい。そこで彼女は、安全でおいしい農産物を探して、自ら無農薬野菜の生産農家を回った。

「日本ではオーガニックが一つのステータスになっています。でも、それをいちばん必要としているのは、子どもを持つ一般のお母さんたち。毎日のことだから高くては続けられないんです。だから、オーガニックを当たり前にしたかった。世の中になければ、自分で作ろうと考えました」

そんな中、一軒の農家から聞いた話にショックを受けた。不揃いで見た目が悪い野菜はすべて廃棄され、豊作のときには生産調整のために捨てられることもあるのだ。生産者には自身や家族が農薬や化学薬品で体調を崩し、それを機に無農薬栽培に取り組んでいる人も多い。食べる人の健康を想って、より手間のかかる方法で作られた野菜たちが捨てられてしまうことが、何より「もったいない」と感じた。

「捨てるんだったら、買わせてください」。中園さんのその後の活動は、すべてこの一言から始まったという。

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