マンションの住民トラブルはここが危ない!
意外と知らない「落とし穴」

世代や考え方の異なる、さまざまな人が生活するマンション。集合住宅ならではの、住民間によるトラブルも起こりがちです。特に多いのが、マナー違反が原因で起こるいざこざ。
平成25年度の「マンション総合調査」(国土交通省)では、マンションで起こったトラブル全体のうち55.9%が「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」となっていて、ダントツの1位。その解決手段として、訴訟になったケースも103件報告されています。
そうした深刻な問題に発展させないためには、どんなことに注意すればいいのでしょうか? トラブルを回避するための心掛けについて、マンション管理士として居住者間のトラブルにも詳しい、マンション管理見直し本舗・代表取締役の村上智史さんに聞きました。
他の居住者への配慮不足がトラブルをこじらせる
住民間によるマンショントラブルには、どのようなものが多いのでしょうか。まずは、特に多いと考えられる5つの原因を村上さんにうかがいました。
(1)「駐車違反」のトラブル
「マンションの居住者を訪ねてきた来訪者が、勝手に駐車スペースに車を停めてしまうことによるトラブルが多いようです。また、来訪者用の駐車スペースを用意し、駐車票を見えるところに掲示するようルールを定めているマンションもありますが、基本的には数時間以内の駐車というのが暗黙の条件。でも、なかには自分の車を来訪者用スペースに長時間停めたり、毎日のように停める人もいます。一般居住者の“常識の範囲”を越えてしまうと、トラブルに発展しがちです」(村上さんコメント、以下同)
(2)「ペット飼育」のトラブル
「動物の飼育に関するルールはマンションごとに異なります。飼育が可能な場合でも、動物の種類やサイズなど、ある程度の制限を管理組合で設けていることが多いです。飼育禁止のペットを飼うのは論外として、トラブルになりがちなのは飼育マナーやエチケットに関するものですね。ペットをエレベーターに乗せたときには自ら抱えるとか、ニオイに気をつけるなどの配慮が必要。ペットが苦手な人もいらっしゃることを認識した行動ができていない場合に、クレームに発展することが多いです」