寝室に設置できる水洗トイレがあった!

介護で最も大変なトイレ問題が解消

既存のトイレを使う場合、移動時の転倒や冬場のヒートショック(空間の温度差による血圧の急激な変化)といった危険や、間に合わなくて失禁といった事態が起こる可能性もあります。

ポータブルトイレ(洋式便器型の移動簡易トイレ)を使う場合は、臭いが残ったり、後始末が1日何度も必要だったりするため、要介護者が「家族に申し訳ない」「見られたくない」と感じるなど、両者に精神的な負担も生じています。

そんな介護の現場に昨年(2013年9月)登場した画期的なトイレが、TOTOの『ベッドサイド水洗トイレ』です。

寝室に「水洗トイレ」って、どう設置するの?

商品名からもわかる通り、ベッドのすぐ横で使える『ベッドサイド水洗トイレ』。その大きな特徴は次の通りです。

(1)水洗トイレなので、使用後は流すだけ
(2)床に固定しないため、「フレキシブルホース」の長さ2mの範囲内で移動できる
(3)ウォシュレット・暖房便座・脱臭機能付きで快適

 

一見すると通常のトイレが居室に設置されているという印象なので、「寝室に水洗トイレを設置するのって給排水工事がかなり大変なのでは?」という疑問を持つ人も多いかもしれませんが、施工は半日から1日で完了します。

施工をそれほど容易にしたのは、TOTOが10年以上を掛けて研究開発したという新技術「粉砕圧送ユニット」(下図参照)のおかげ。汚物を細かく砕き、圧力を掛けて排水管に送る仕組みによって、内径19mmという細い配管(フレキシブルホース)での排水が可能になりました。一般的なトイレの増設工事に3〜5日ほど掛かるのと比べると工事が短期なので、何日も部屋が使えないといった負担も少なくてすみます。

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施工は、細い給水ホース・排水ホースを壁から屋外へ通し、給水引込管と汚水ますへつなげるだけと至ってシンプル。設置場所を選ばないので、洋室・和室を問わず、後付けで設置できます(画像提供:TOTO)

気になる費用は、メーカー希望小売価格52万8000円(税込57万240円)。別途かかる工事費は家の構造や設置場所によって開きがあります(木造軸組構造の家でおよそ10万〜15万円など)。マンションの場合でも、条件(共有部分の工事許可など)が合えば、設置は可能です。

手入れは一般のトイレと同じ。さらに、水に流せないものを落としてしまっても、異物を簡単に取り出せる仕組みになっているのも要注目。安心して使えます。

寝室に「水洗トイレ」があると暮らしが変わる!

ベッドの横に水洗トイレがあると、要介護者や家族の暮らしはどう変わるのでしょうか。主なポイントは次の通り。要介護者や家族にとって、生活の質を高めることに繋がっています。

●要介護者
(1)いつでも自分でトイレに行けるので、家族に気兼ねする必要がなくなる
(2)「自力でトイレに」「頑張ろう」という前向きな気持ちになり、生活動作の維持・向上に繋がりやすい
(3)トイレの回数を減らすために水分を控えなくてもよくなる
(4)ポータブルトイレに比べて、臭いがこもらず部屋で快適に過ごせる
●家族・介助者
(1)トイレ介助の負担が減る
(2)ポータブルトイレの後始末の負担がなくなる
(3)要介護者の転倒やヒートショックなど健康被害に対しての不安が減る

 

超高齢社会となった現代の日本において革新的な設備である『ベッドサイド水洗トイレ』。その実物に触れてみて、「費用はかかるものの、家族や自分が要介護者になったら必須の設備になる」と私は強く感じました。皆さんも、いずれ来るかもしれない介護生活に備えて、この快適な設備をぜひ知っておいてください。

●TOTO『ベッドサイド水洗トイレ』
HP:http://www.toto.co.jp/products/ud/bedsidetoilet/

 

(文:金井 直子)

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