「新たな負担ゼロ」で断熱改修実現した団地の覚悟 横浜市の竹山団地「生活のストレス」をなくす

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改修工事の様子
外側のコンクリートの壁に5cmの断熱材を接着し、上から塗装する「外断熱湿式工法」を採用して改修(画像提供/竹山16-2団地管理組合法人)
屋上の断熱工事を実施したときの様子
屋上の断熱工事を実施したときの様子。新たに5cmの厚みの断熱材で覆ったうえに塩化ビニールシートを張ることで断熱はもちろん、防水にも優れた構造に(画像提供/竹山16-2団地管理組合法人)
複層ガラス
窓のサッシは全て複層ガラスに変更した(写真撮影/桑田瑞穂)

取得した住宅エコポイントによって、当初は計画していなかったLED照明への交換や玄関扉の交換も実施できたそう。さらに翌年には、床下(基礎部分)の断熱工事も実施しました。

安定した室温で快適に変わった生活に住人から喜びの声

竹山団地の断熱改修工事について研究していた研究者が、改修後、2月の寒い時期に1週間の室内の温度を測って室温の変化がどの程度生じるかを調べました。

すると、外気温が2度前後の明け方や夕方でも18度以上が維持されていたそう。「暖房を使用していない時間帯でも、室内で最も冷える場所だと考えられる玄関でも、18度を下回ることはなかったようです」と稲葉さん。

グラフ
2月の1週間、居間、北側の洋室、玄関と外気の温度と湿度の変動を調べたところ、茶色と紺色の点線で示される外気の温湿度に対し、グレー・青・水色の実線が表す室内の温湿度は暖房の使用有無にかかわらず、かなり一定に保たれていた(出典/坊垣和明(東京都市大学名誉教授)他、外断熱改修済住棟の改修効果に関する研究 その2、日本建築学会発表梗概集、2022年7月)

「実際に改修後、住人からは『夏のクーラーがちゃんと効くようになった』『生活のスタイルは変えていないのに冬の室内の温度が改修前より3度も上がっていた』『電気代が工事前よりもかなり安くなった』など、多くの喜びの声が聞かれました」

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