オーケー、銀座出店の「宣伝戦略」が超残念だった 関西進出を前に、広報力に不安が残る現実

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2023年秋、ディスカウントスーパー・オーケーが銀座に出店。関西進出への意欲も見せましたが、「広報力」には不安の残る現状です(撮影:今井康一)
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百貨店や高級ブランド店がひしめく、銀座。この日本を代表する超一等地に、「安さ」を武器に急成長してきたディスカウントスーパーが「殴り込み」をかける。首都圏を地盤とするオーケーが2023年秋、銀座に旗艦店を出すのだ。

売り場面積は実に約2000平方メートル。郊外の大型スーパー並みの規模を誇る。テナントも「マロニエゲート銀座2」のB1F・B2Fという、超がつくほどの好立地。企業のブランドイメージを刷新する可能性すらあると言える。

そんな本件に際し、オーケーは銀座出店を告げるプレスリリースを配信。だが、その内容は企業のPR支援を行っている私には「非常にもったいない」ものに映った。

そこで本稿ではオーケーの銀座出店の「狙い」と、にじみ出る「不慣れさの原因」を、広報戦略の観点から読み解いてみたい。

銀座出店と、関西進出への意欲

該当の発表が出たのは5月17日のこと。「オーケー、2023年秋 銀座に出店します」とのタイトルで、公式サイトおよび、プレスリリース配信サービスである「PR TIMES」にリリースが流された。(※)

以下、リリースから一部抜粋する。

このたび オーケー株式会社(代表取締役社長:二宮 涼太郎)は、2023年秋、東京都中央区銀座の商業施設「マロニエゲート銀座2」 (東京都中央区銀座3-2-1) に「オーケー銀座店」を出店いたします。(中略)当社はそのマロニエゲート銀座2のB1FとB2Fに出店します。2フロアを合わせた売場面積は600坪を超える予定で、当社として中央区初出店となります。

オーケーは通常、新規出店に際して、プレスリリースを出していない。自社サイトに「お知らせ」として「オーケー 海神南店〈6月8日オープン〉」という簡潔なタイトルで、店の基本情報を掲載するだけだ。

それだけに「PR TIMES」というサイト(と予算)を使って「ちゃんとした」プレスリリースを発表、しっかり拡散しようとした今回の銀座出店には、並々ならぬ意気込みがうかがえる。

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