企業がGPT導入で失敗しないための「3つの基本」 効率よくビジネスプロセスを改善するヒント

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ロボットそ話す男性
ChatGPTを取り入れようとしている企業が注意すべきポイントとは(出所:筆者が画像生成AIサービスのMidjourneyで作成)
連日のようにChatGPTに関するニュースがメディアで報じられている。そして企業も、この新しいAI技術を自社に取り込もうと模索している。しかし、そのアプローチを間違えると、業務の効率化どころか、むしろ逆効果を生むことも考えられる。5月に『実務担当者のためのビジネスプロセスDX実装ガイドブック』(東洋経済新報社)を刊行した上田剛氏に、ChatGPTを取り入れようとしている企業に対する3つのポイントを解説してもらう。

大規模言語モデルの進化と普及が目覚ましい速度で進んでいます。これまでにも多くの言語モデルが出ていましたが、事態が急変したのは、2022年11月にアメリカのベンチャー企業OpenAIが、GPT3.5を搭載したChatGPTをリリースした時です。ChatGPTでAIとあまりに自然な会話が出来ることに、世界中の人たちが驚愕しました。

2カ月後の2023年1月には月間アクティブユーザー数が1億人に達し、日本でも100万人を超えるユーザーが利用しています。2023年3月にはGPT4がリリースされて、さらに自然言語処理の精度が上がり、GPT3.5では弱いとされていた日本語のクオリティも上がりました。

ChatGPTの「GPT」って何?

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ChatGPTは、GPTという文章生成モデルをチャット形式で扱えるようにサービス化したものです。GPTとは、「Generative Pre-trained Transformer」の略で、事前に文章生成の学習がなされたトランスフォーマー(ディープラーニングを用いたモデルの一種)という意味です。Web上の大量のテキストデータを学習しているので、大規模言語モデルと言われています。

GPTに用いられているディープラーニングのアルゴリズムは、人間の脳の構造を模したものです。モデルには出力を調整するパラメータが多数含まれているのですが、GPT4のパラメータ数は100兆個程度と推測されています。

100兆個とは、人間の脳のシナプスと同程度の数です。人間も100兆個のシナプスを調整した脳を使って思考していると考えると、GPTが人間のように会話や発想ができることは、もはや不思議ではないのかもしれません。

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