5類と円安で加速「オーバーツーリズムの脅威」 SDGsは適切に行えば「コスト削減」につながる

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コロナ前の人出に戻りつつあるGW直前の東京・浅草。3~4割は外国人観光客の印象だった(筆者撮影)
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5月8日、新型コロナ感染症が5類に移行した。入国者の水際対策がさらに緩和され、今後のインバウンド数は、さらに増えることが予想される。

日本経済全体のことを考えればありがたいことなのだが、懸念されるのがオーバーツーリズムの再来だ。円安の影響等もあり、放置すれば各地の観光地で、コロナ前以上のオーバーツーリズムが発生する可能性がある。

質を高め、「持続可能」な観光へ

じつは、この問題に対する政府の指針は、すでに出されている。3月31日付で新たな「観光立国推進基本計画」(観光庁)が閣議決定され、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」の3つのキーワードが盛り込まれている。都市部や一部の有名観光地に集中していた観光客を、地方やこれまであまり知られていなかった目的地へと誘客し、オーバーツーリズムの弊害を除去する。また、「量」(観光客数)への依存から脱却し、観光の「質」を高め、観光消費額を拡大させることで地域経済を潤わせる。こうしたことを通じて、長い目で見て「持続可能」な観光を実現するというのである。

この方針自体は素晴らしく、行うほうがいいに決まっている。ただ、いざ実践しようとするときに、中小の観光事業者やDMO(観光地域づくり法人)などは、何から手を付ければいいかわからないという疑問にぶつかるのではないか。

以下、こうした疑問に答えてもらう形で、株式会社やまとごころ代表でインバウンド戦略アドバイザーでもある村山慶輔氏に話を聞いた。

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