有料会員登録

消費者起点で築く
「サプライチェーンマネジメント戦略」 顧客ロイヤリティを維持するためにオムニチャネルで大切なこと

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
実店舗からコールセンター、オンラインストア、そして最近はスマートフォンなどの普及によって、小売り・流通チャネルは多様化が進んでいる。その中で、さまざまな販売チャネルを統合して優れた顧客体験を提供しようという『オムニチャネルリテーリング』をテーマにした「サプライチェーンマネジメントフォーラム2015」が3月、東京・中央区で開かれた。

●主催/東洋経済新報社 ●協賛/JDAソフトウェア・ジャパン

オープニングスピーチ

勝川宏明氏
JDAソフトウェア・ジャパン 執行役員 アジアパシフィック シニアサービス ディレクター

オープニングでは、JDAソフトウェア・ジャパンの勝川宏明氏があいさつした。同社は、サプライチェーンマネジメント(SCM)、マーチャンダイジングにフォーカスしたソリューションで、世界のマーケットリーダーと評価されている。勝川氏は、需要予測に始まり、生産計画、物流、倉庫管理から小売における事業計画、チャネル分析をベースとした品ぞろえの最適化、店舗のフロア計画に至るまでのサプライチェーン全体の計画と実行をエンドツーエンドで提供するJDAのソリューションを紹介。「顧客中心のサプライチェーンへの変革など、お客様の課題意識を聞きながら、当社の製品・ソリューションの開発・改善に努めている」と訴えた。

基調講演
時間資本主義の到来

松岡真宏氏
フロンティア・マネジメント 代表取締役

ベストセラー『時間資本主義の到来』の著者で、フロンティア・マネジメント代表取締役の松岡真宏氏は、「すすぎが10分早い洗剤が売れる理由は、人々が時間にお金を払うようになったから。時間価値に補助線を当てると、違った風景が見えてくる」と語る。現代人にとって、時間は残された最大の制約だ。特に高齢化する日本では、人生に残された時間に敏感になる人が増える。そこにスマートフォンが登場し、電車待ちなど、わずかなすき間時間を有効に使えるようになったことで、時間価値が変容。消費行動などに影響を与えているという。

商品代金に買い手の時間価値が含まれるようになると、値段は安いが買い物に時間のかかる郊外のショッピングモールより、多少高くても時間を節約できる近くのコンビニエンスストアで買う選択肢が有力になる。さらに、「節約時間価値」によって無味乾燥な時間が増えただけでは意味がないので、人々は時間を有意義に使う「創造時間価値」を追求するようになる。たとえば「仕事のない人が、待ち時間の長い病院に並んで取った受付票を忙しい人に売る」といった、時間価値の低い人と高い人との間の時間売買が、さまざまな形をとって世界中で始まっている。松岡氏は「列車のビジネスシートなど、移動に伴う時間価値を高めるサービスなど、さまざまな時間資本主義ビジネスが出てくるだろう」と予測。「大事なのは創造時間価値の追求である。われわれはクリエイティブになるため、多様性を受け入れた生き方をすることが求められている」と結んだ。

ソリューション講演
オムニチャネル視点での商品供給管理

白鳥直樹氏
JDAソフトウェア・ジャパン シニアソリューションアドバイザー

JDAソフトウェアの白鳥直樹氏は、「オンライン購入で最大の不満は『配達遅延』の35%で、悪い配送を経験した消費者の6割が小売りを変える」という同社調査(英国)を報告。「ネットで注文して近くの店で受け取るクリック&コレクトなど、商品の届け方も多様化している。それに伴い、複雑化するフルフィルメントへの対応が必要である」と、サプライチェーンの視点からオムニチャネルリテーリングについて語った。

まず、顧客をつかむためには「顧客の好み・属性を分析・理解した上で、パーソナライズされた提案をすることで、ブランドに愛着を持って買い物をしてもらえるサイクルを作り出せる」と、顧客との接点をつなぐためのビッグデータを活用したデータサイエンスの重要性を訴えた。さらに、つながった顧客を定着させるためには、「デリバリー、フルフィルメントの問題に対応するバックエンドの確立が必要」と指摘。販売計画をシームレスに倉庫管理、輸配送などの実行業務につなぐソリューションの有効性を示した。JDAでは、「注文に対して、どの店舗・配送センターから送るのが最適か」を選択したり、「倉庫の作業状況を見ながらトラックの出発タイミングを最適化する」といった業務効率化のテクノロジーに注力。一連のオーダーライフサイクルを一つのプラットフォームで動かせるツールを提供している。白鳥氏は「ものが高速で動く今の時代は、業務横断的に部門間が連携するオペレーションの再設計が不可欠」と、サプライチェーンの変革を訴えた。

事例講演
お客さま主導のシームレス・リテーリング

飯田健作氏
日本トイザらス 執行役員eコマース本部長

オムニチャネルリテーリングについて、日本トイザらスの飯田健作氏は「チャネルの視点だけでは本質を見誤る」と語り始めた。経済産業省発表の統計データによると、小売業のEC化率は約3.7%で、高い数字とは言えない。だが、現代の購買行動は、従来の小売り(リテール)の前に検索・サイト閲覧(プリテール)、購入後に商品や店舗体験を口コミ、SNSで拡散(ポストテール)が加わったループになっている。日本のB2CにおけるEC市場は前年比17.4%伸びているが、「本当に伸びているのは、プリテール段階で、ウェブで情報を収集し、実店舗、ECの両方を利用するシームレスカスタマー」と見る。

同社は「チャネルよりお客様を議論すべき」という考え方のもと、シームレス・リテーリングを推進。ポイントの獲得・利用、品ぞろえ、カスタマーアシスタンスなどの面で、実店舗と同等レベルを目指して、14年にオンラインストアをリニューアル。13年に始めた、オンライン注文商品を実店舗から発送する「シップ・フロム・ストア」に続き、実店舗からオンラインに注文し、指定場所に届ける「ストア・オーダー・システム」の導入、送料無料対象商品の拡大などデリバリーも充実させた。また、実店舗で人気のレゴ・ブロックなどのインショップをバーチャルショップとして導入し、実店舗に近いデザイン、商品配置を工夫するなどの取り組みの結果、14年度のオンラインストアの訪問者数・発注数は前年比5割増となった。今後も、お客様との接点強化を図るとした飯田氏は「購買体験のループを上手に回し、お客様の記憶に残ることが重要。お客様の検索の対象に入らないと、デジタルマーケティングのビジネスは持続しない」と述べた。