実は便利「路線図に載らない」直通・臨時列車たち レアな貨物線など経由、乗り換えなしで一直線

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「あやめ祭り」E257
臨時特急「あやめ祭り」号として走るE257系電車。行楽シーズンには通常は走らない区間の臨時列車が多数運行される(写真:ARIAKE787/PIXTA)

新年度初めの新しい環境にも慣れてきて、ゴールデンウィークや初夏のお出かけ、旅行の予定を立てている方も多いのではないだろうか。旅行となると荷物も多く、なるべく乗り換えせずに行きたいものである。

そこで使えるのが「路線図には載っていない」ルートの直通系統や臨時列車である。これらは貨物線を活用して運行されることが多い。今ではメジャーになった湘南新宿ラインも、ルーツをさかのぼれば高崎線・宇都宮線方面は池袋折り返しの列車から、東海道線方面も着席通勤列車の「湘南新宿ライナー」から始まった。この両者を新宿でつなげたルートが現在の湘南新宿ラインである。

今は本数が少なくても、このように乗り換えなしで負担が少なく、将来は路線図にも載るように大化けしそうな系統もある。今回はこういった、本数が少なく気付きにくいが便利な直通系統や臨時列車を紹介する。子供連れの方は、普段は走らない線路を通れるとか、めったに乗れない列車に乗れるという触れ込みで連れて行けば大興奮間違いなしだ。

なお、臨時列車の場合、運転日は基本的に2023年4~6月の日程(4月は記事公開日以降)を記している。

毎日走る「実は便利な」直通列車

むさしの号

中央線の八王子・立川など、国立以西から大宮駅まで乗り換えなしの便利な系統がある。これが「むさしの号」で、多摩エリアから東北・上越・北陸などの新幹線を利用する際に使える。

このルートは1982年の東北・上越新幹線大宮開業の頃から臨時列車として運転が始まり、2010年に定期列車化。近年は停車駅が増え、中央線八王子―国立間、武蔵野線新小平―北朝霞間の各駅から利用できるようになった。西武池袋線秋津駅(武蔵野線新秋津駅)、東武東上線朝霞台駅(武蔵野線北朝霞駅)からの新幹線アクセスにも使える。

運行ルートは、八王子から国立までは中央線を走り、国立から分岐する単線の地下貨物線を通って武蔵野線の新小平手前で合流。荒川を渡ったのち西浦和駅で分岐する貨物線に入り、地下トンネルを経て京浜東北線の北浦和駅付近で地上に顔を出す。ほどなくして大宮駅の湘南新宿ラインホームに到着するといった具合だ。西浦和駅に停まらないのは運行する線路上にホームがないためである。北朝霞(朝霞台)―大宮間は最速11分だ。

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