各地で新幹線が進化「春のダイヤ改正」の見どころ 在来線は東西で“新駅"開業、利便性向上した?

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東日本の新幹線には大きな変化があった。これまで最高時速240kmとフル規格新幹線の中では最もスピードが遅かった上越新幹線が、大宮―新潟間で時速275km運転にスピードアップ! 東京―新潟間の所要時間1時間30分未満という快挙を達成した。新潟から特急に乗り継いで酒田まででも最速3時間44分と、東京―広島間の最速時分と並ぶ。

上越新幹線E2系
2023年春ダイヤ改正で上越新幹線から引退したE2系(写真:w-ken0510/PIXTA)

さて、これで「最遅」のフル規格新幹線は、平成以降に開業した最高時速260kmの「整備新幹線」の面々ということになるわけだが、これらの各線はいつになったら高速鉄道世界標準の時速300kmに達することになるのだろうか。

新駅「幕張豊砂」開業で京葉線の変化は?

首都圏在来線では、ダイヤ改正に合わせて京葉線に「幕張豊砂駅」が開業した。「イオンモール幕張新都心」にほぼ直結の駅で、JRもイオンもウィンウィンな事業といえる。快速は通過するが、今回の改正で京葉線は19時以降の上り快速が廃止されたので、夜にイオンモールで遊んで帰るにはいいだろう。

幕張豊砂駅
ダイヤ改正に合わせて開業した京葉線の幕張豊砂駅(編集部撮影)

ただ、目玉となる新駅の誕生によってより目立つようになったのが、武蔵野線と京葉線を跨いで利用する場合の利便性の悪さだ。平日日中、幕張豊砂駅からの東京方面行きは毎時07・21・39・49分発だが、21分発は南船橋駅での武蔵野線への乗り継ぎに14分も待たされる。39分発は16分待ちになる。

また、西船橋駅からの南船橋行きも、毎時09・29・49分発のうち49分発は南船橋駅での京葉線各駅停車蘇我行きへの乗り継ぎに14分待たされる。快速蘇我行きには3分の接続だが、快速は幕張豊砂には停まらない。

乗り継ぎの良し悪しによって幕張豊砂―西船橋間は14〜25分と所要時間に10分以上もの違いがある。武蔵野線は、待ち時間が大きく開くところは海浜幕張まで延長運転してもいいのではないか。そうすれば南船橋で大きな荷物を持って階段を上り下りして乗り換えしなくても済む。

南船橋駅での乗り継ぎといえば、同駅2番線から毎時40分発の武蔵野線は、同じホームの向かい側である1番線に各駅停車蘇我行きが止まり切る数秒前にドアを閉めて発車してしまい、その後20分待ちとなる。二俣新町駅から武蔵野線方面へ出る人にとってはおもしろくないものだ。

常磐線では朝の上り特急の柏駅停車が増え、おおむね30分おきに同駅から特急が利用できるようになった。一般的にいえば、通勤客向けの朝の上り特急は客単価の高い遠距離客が席を取れなくなってしまう近距離利用の増加は避けたいはずだ。空席を埋めるのに苦戦しているのだろうか。また、平日朝の「ときわ」1往復を除くすべての特急が品川発着となった。これで上野駅の特急専用地上ホームの用途はほぼなくなってしまう。今後の使いみちに注目だ。

次ページ23区内のJR線で18分待ち…
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