ChatGPTと違う?「GPT-4」使ってみたリアルな感想 まさにエキサイティングだが怖い存在でもある

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チャットボット、ChatGPTやGPT-4などの開発を手掛けるオープンAIの開発チーム(写真:Jim Wilson/The New York Times)

3月14日、自分のノートパソコンを開き、OpenAI(オープンAI)の新しい人工知能言語モデル「GPT-4」を初めて使ったとき、正直に言えば、私は少し不安を覚えていた。

というのも、私はマイクロソフトの検索エンジン「Bing(ビング)」に搭載されたAIチャットボットが、長い会話の中で私の結婚生活を終わりにしようとしたのを最後に、チャットボットには触れていなかったからだ。

GPT-4の登場を救世主のように待ちわびていた

しかし、サンフランシスコの技術者たちは、GPT-4の登場を救世主のように待ちわびていた。公開される前から、数カ月にわたって、その仕様についての噂が飛び交っていた。「パラメーターが100兆個あるらしい」「SAT(大学進学のためのテスト)で1600点取ったらしい」「友人がオープンAIで働いているが、大卒並みの知能があるらしい」――。

これらのうわさは真実ではなかったかもしれないが、この技術の能力がいかに衝撃的なものであるかを示唆するものであった。最近、ある初期のGPT-4テスターは、オープンAIとの秘密保持契約に縛られているものの、ちょっとした話を私にしてくれた。GPT-4のテスターたちは、自分たちのちっぽけな脳と比較して、AIがいかに強力で創造的であるかを見せつけられ、「実存的危機」に陥ったというのだ。

GPT-4は、私に実存的危機は引き起こさなかったが、最近、AIのことを考えるたびに感じていた、めまいや立ちくらみのような感覚を、さらに悪化させた。そして、この感覚が薄れることはあるのか、それとも、作家のアルビン・トフラーが語るところの「未来の衝撃」(あまりにも早く、あまりにも多くのことが変化してしまうという感覚を表す言葉)を一生経験することになるのか、考えさせられた。

14日の数時間、私はGPT-4(現時点では、オープンAIのチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」の月額20ドル版である「ChatGPT Plus」に加入することで体験できる)をさまざまなタイプの質問で突き回して、その長所と短所を明らかにすることを期待した。

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