新聞、テレビ、雑誌、ネットの情報は何が違うのか メディアの癖を知るだけで情報の見え方が変わる

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ニュース
情報は、聴取者に合わせて同じ情報でも発信する視点を変えている(写真:CORA/PIXTA)
情報を取り巻く環境が大きく変化する中で、あふれる情報の中から有益な情報を見つけ、きちんと消化したうえで、場合によってはSNSなどを通じて発信していくにはどうしたらいいか。
日本テレビ「news every.」前統括プロデューサーが情報リテラシーについてまとめた『メディアを賢く消費する「情報リテラシー」 情報洪水時代の歩き方』より一部抜粋、再構成してお届けする。

メディアの「癖」を正しく知ること

「メディア」と一言でいうが、新聞、ラジオ、雑誌、テレビ、この4つは歴史が古く「マス4媒体」と呼ばれている伝統主要メディアだ。インターネット系は新しいメディアである。筆者はこの中でも地上波テレビ局の夕方のニュース番組「news every.」で統括プロデューサーという責任者をしていたので、テレビニュース制作者の目線から、ほかの媒体との違いを説明していきたい。

最近のテレビニュースを賑わす国際ニュースのアクターといえば、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領、中国の習近平主席、北朝鮮の金正恩総書記など、キャラクターも濃い。

濃いキャラクターには、強烈なファンと強烈なアンチの両方が揃っていると思う。こうした強力なキャラクターの登場人物が介在するニュースを、テレビは好むと専門家には指摘をされており、こうした個性的な人物に注目しながら伝えるニュースを「ソフトニュース」と呼ぶ。

事件や事故などの劇場型のもの、そして個性の強い人物を軸に描けるニュースがテレビ好みとされてきている。しかし実際には、難しい数字的な話など、映像を伴わないニュースをどう伝えるのかも開発はされてきた。図で説明するとわかりやすいものはスタジオでのモニター画面での解説が適している。

一方で新聞は、活字で正確に咀嚼しながら、時には調べたりもしながら読めるところ、さらには価値付けが紙面の大きさや置き位置などから理解できるように編集されているところなどが素晴らしいメディアだ。同じ記事を読むのでもネットで見るのと紙面で読むのでは価値が違うと筆者は考えている。

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