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三井物産社長、利益拡大のカギは「組み合わせ技」 再エネや病院、給食事業の展開にアクセル

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5大商社の中でも、とりわけ資源に強い三井物産。市況に左右されない収益力の底上げに向けて、堀社長は部門間での連携が重要だと強調する。

三井物産の堀健一社長は「国内は産業構造が大きな変革期にあり、ビジネスチャンスがある」と語る(撮影:尾形文繁)

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金属資源やエネルギー分野で強い収益基盤を持つ三井物産は2月3日、今期純利益の見通しを上方修正し、通期で1兆0800億円(前期比18.1%増)と、過去最高益を更新するとした。
足元の資源高が追い風となっているが、資源事業への依存率が高い同社では、今後の資源価格の推移次第で業績が反落するリスクも抱える。モビリティや病院事業の強化で、「資源一本足」とも言われる収益構造を変えられるのか。今後の底上げ策について、三井物産の堀健一社長に聞いた。

16の事業本部が連携して解を出す

――今2023年3月期は好決算の見通しです。やはり資源高が大きな要因なのでしょうか。

経営環境に追い風が吹いていることは確かだが、大事なのは継続性のある実力値がどれぐらい変わっているかということで、それを常にみている。

例えば為替や商品市況が一定であると仮定した場合、ベースとなる稼ぐ力がこの中期経営計画の期間(2021年3月期から2023年3月期まで)において、前の3期間と比べ、純利益で1000億円を超える底上げはできているな、と自己検証している。

今後も、われわれが扱っている産業ドメイン間の事業のバランスを取りながら、基礎収益力を上げていきたい。

――さらなる底上げを図るために、今後も非資源分野を強化する方針ですか。

私どもは、資源と非資源とを分けて経営を見ていない。部門ごと、あるいは商品軸ごとにきっちりと話していく(統括していく)スタンスだ。

次ページ次の中計で打ち立てる柱
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