埼玉県に潜む「ウイグル料理工場」その意外な全貌 ファストフードのように食べ歩きに合う料理も

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埼玉県のウイグル料理工場(写真:アブレットさん提供)

新疆ウイグル自治区の料理と聞いて、どんな料理かパッと思い浮かぶ人はどれぐらいいるだろうか。実は首都圏周辺にはレストランのほか、ウイグル料理の工場もある。今回はそんなウイグル料理について紹介したい。

日本人にはあまり馴染みがないウイグル料理だが、さいたま市にあるシルクロード ムラトや東京・初台のシルクロード・タリム、池袋の火焔山 新疆・味道など、首都圏近郊にもウイグル料理専門店がある。

炒めた羊肉、トマト、玉ねぎ、ピーマンなどをコシが強い手延べ麺にぶっかけた新疆拌麺(ラグメン)や、羊肉と玉ねぎやにんじんなどが入った手抓飯(ポロ)、羊肉串(シシカバブ)などは代表的なウイグル料理で、専門店であればどの店でも食べることができる。

特にラグメンは一度食べたら癖になる中毒性がある味付けで、定期的に食べたくなる料理の1つだ。

レストラン以外にも、埼玉県にはウイグル料理の工場もある。JR浦和駅から車でおよそ15分。さいたま市の畑に囲まれたのどかな場所に工場(セントラルキッチン)を構えているのが、Tandoor Masterだ。

自動車整備工場を改装し、ウイグル料理工場に

Tandoor Masterでは伝統的なウイグル料理のナンや、サムサ(ミートパイ。中国語は烤包子)、燻製肉、羊肉の丸焼きなどを手作りし、ウイグル料理店のほか、中華料理店や中華物産店に卸している。これらは急速冷凍し、冷凍便でオンライン販売もしている。

埼玉県の中華料理店で見かけたTandoor Masterの貼り紙。冷凍の燻製肉などが販売されていた(写真:筆者撮影)

オーナーはアブレットさん。2022年の9月に自動車整備工場だった場所を改装し、ウイグル料理を生産する工場を設立した。

Tandoor Masterで提供している羊肉、ナンと燻製肉(写真:筆者撮影)

10年ほど前に来日したというアブレットさんは、元々はサプリメントなど日本の健康食品をハラール認証化(イスラム法の定める適正な方法で処理、加工)して中東や地元のウイグルに輸出する仕事をしていた。

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