「奇跡の美声」King Gnu井口理がさらけ出す心の中 歌うこと、演じること、そして自意識の解放

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表現者としての挑戦の日々、それを乗り越えた先にどんな境地があったのか。そこから見えてきた井口理の「今」を伝える(写真:長田慶)
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大ヒットとなった「白日」をはじめ、多くの楽曲で大衆の心を揺さぶり、熱狂させてきたKing Gnu。ボーカルの井口理の、息をのむような歌声に魅了されている人も多いかもしれない。

井口は現在、ミュージシャンとしてだけでなく、俳優としてもドラマや映画に出演するなど、感性豊かな表現者として、多方面に活動を広げている。

「人一倍、自意識を持って生きてきた」

そんな井口は、自身の生き方について、「人一倍、自意識を持って生きてきた」という意外な一面をのぞかせる。

「人にどう見られてるかという意識は、昔からすごく強かった。それはこの仕事に就く前からですね。例えば、好きな本を書店で手に取るんだけど、なかなかレジに持っていけないとか。そういう些細な“自意識過剰”というところはありましたね」

しかし、井口が抱えていた自意識も時として新たな出会いを生むキッカケになった。

「映画『劇場』でお世話になった行定勲監督の忘年会に参加したんです。そこに誕生日の人がいて、バースデーソングのリクエストがあったんです。そのとき僕がなかなか歌いだせずに恥ずかしそうにしている姿にギャップを感じて、直感的にオファーをくれたようです」

そのオファーを出したのが、伊藤ちひろ監督だった。自身の同名小説を映画化した人間ドラマ『ひとりぼっちじゃない』を映像化するにあたり、不器用でコミュニケーションがうまくとれずに葛藤を抱えながら生きる主人公、歯科医師のススメを井口に演じてほしいとラブコールが送られた。

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