入江慎也、自粛時に刺さった相方・矢部太郎の言葉 「地に足つけてできることから頑張ったらいい」

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入江慎也
「最初はお客さんに自分の顔を見られるのが嫌だった」と語る入江慎也さん(撮影:今井康一)
闇営業騒動で事務所から契約解除されたお笑いコンビ・カラテカの入江慎也さんは、新たに清掃業を始めて、2020年には自身の清掃会社「株式会社ピカピカ」を立ち上げた。今年2月に出版された著書『信用』ではそこに至るまでの過程が赤裸々に語られている。清掃業者としての彼の今後の目標とは?

――闇営業騒動の後、入江さんは世の中に対して何もメッセージを発していない時期が結構長かったですよね。それには理由があったんですか?

何か言いたいなとか思ったこともありますけど、「信じてください」っていくら言っても、何も結果を出していないし、変わっていないわけですから。

――たしかに、あの状況だと自分が本心で言っていることでも、世間的には言い訳に聞こえてしまうのかもしれないですね。

そうそう。相方の矢部にも「地に足つけて、できることから頑張っていったらいいんじゃないかな?」って言われたんですよ。「遠回りのようだけど、それが一番近道な気がする」って。

――そこで清掃業を始めることになったんですね。

そうですね。本にも書きましたけど、清掃業を始めたきっかけは、自分の部屋を掃除してみたときに、物が減っていくのとか部屋がきれいになるのを見るのが好きだな、って気付いたことです。そこで清掃業っていうのも向いてるのかな、って思ったんですよね。

――でも、いざ清掃会社に入ってお仕事を始めてみたら、最初はお客さんにご自分の顔を見られるのが嫌だったそうですね。

最初は本当に嫌でしたね。どうしても気付かれたくなくて、コロナ前だったけどマスクをして作業してました。でも、やっているうちに慣れてきて、そんなことも気にならなくなるんですよ。今はもう芸人やってたっていう感じも忘れかけてますからね。清掃をやっている方が当たり前になってきています。

――本の中では、芸人と飲みに行った翌日の入江さんはちょっと寂しそうに見える、と同僚に指摘されたと書かれていましたが、今はどうですか?

それも変わりましたね。最初の頃は自分もバイトだったし、芸人と飲みに行って「ああ、うらやましいな」と思ったりもしてましたけど、今はもうそんなこと言ってる場合じゃないですからね。清掃業でやらなきゃいけないことが腐るほどあるので、そこまで考えないかもしれないです。芸人と飲みに行っても「今日はありがとうございました。明日早いんで帰ります」みたいな感じです。

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