増設か拡幅か、首都圏で続く「ホーム改良」の違い 武蔵小杉は下り側に新設、渋谷は1面に統合

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2021年10月・山手線渋谷駅ホーム工事
ホーム改良工事中のJR山手線渋谷駅=2021年10月(編集部撮影)
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ラッシュ時間帯やイベント開催時など、駅のホームに人があふれることは多い。両側に列車が発着するホームだと、列車を待つ人々が反対側の端まで並んでいて窮屈さを感じることがある。コロナ禍以降はあまり見ないものの、大きなイベント開催時には最寄り駅のホームから改札まで人があふれているという事態になることも多かった。

そんな状況を改善するために、駅ホームの改良が各地で進められてきた。ホームドアの設置もその一つだが、ここでは首都圏で近年見られるホームそのものの改良工事について述べたい。

下りホームを増設した武蔵小杉

混雑緩和のためのホーム改良で多く見られるのは、従来は両側に列車が発着する「島式」ホーム1面に加えて新たにホームを1つ増設し、方向別に乗り場を分離するケースだ。

最近の例では、武蔵小杉駅のJR横須賀線・湘南新宿ラインのホームがある。従来は1面2線の島式ホームだったが、2022年12月に下りホームを増設した。

線路はあるものの、ホームがなく列車が通過していた武蔵小杉駅に同線のホームが開設されたのは2010年3月。下り線路を移設して、上下線の間に島式ホームを造った。上り線路側には東海道新幹線が走っており、そちらに線路を移設することは不可能だからだ。

武蔵小杉駅新南改札
横須賀線・湘南新宿ラインホームの混雑が課題となっていた武蔵小杉駅(編集部撮影)

同駅周辺は近年タワーマンションなどの開発が急速に進み、横須賀線・湘南新宿ラインが停車するようになって以降、交通の便のいいエリアとしてさらに人口が増え、駅の利用者も急増した。既存のホームの部分的な拡幅も行われたものの、抜本的な解決策として行われたのが下りホームの増設だ。

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