韓流支える「日本でたった1人しかいない職業」 なぜエンタメに差がついた?日韓の意外な真実

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1990年代終わりごろからラジオDJの仕事を始め、今にいたる(撮影:尾形文繁)
K-POPに映画、ドラマ、文学と、今、韓国エンタメが世界を席巻している。なかでもK-POPは、BTSを始めアメリカのビルボードチャートの上位にランクインすることが、もはや珍しくない状況だ。
古家正亨氏は、MC(イベントや番組の司会)として日本での韓国エンターテインメントが黎明期ともいえる20年以上前から、K-POPの魅力を日本のリスナーに伝え続け、著書『K-POPバックステージパス』では、その変遷と発展の裏舞台をつづっている。
そんな古家氏に、長年、仕事で韓国と関わるなかで感じている韓国エンタメの強みや日韓のコミュニケーションの違いについての見解、また、『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』(リュ・シファ編)といったK文学が、韓国タレントの“言葉の力”に与える影響について聞いた。

“韓流MC”という、ほかにない肩書

まずは僕の肩書についてお話しすると、著書の『K-POPバックステージパス』では「MC」としていて、韓国エンタメのファンの方には「韓流やK-POPスターの来日イベントで司会をする人」と認識されることが多いと思います。

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実はラジオDJとしてのキャリアのほうが長く、現在もK-POPにフォーカスした番組(ニッポン放送『古家正亨 K TRACKS』など)に出演していますが、ステージでしゃべっている僕と同一人物だということが、あまり知られていないようです。

先日、日本でも大ヒットしたドラマ『梨泰院クラス』の主演を務めたパク・ソジュンさんのイベントでMCをやらせていただいたときも、会場にいらした方に「初めてお見かけしましたけど、あの古家さんだったんですね!」と言われましたから(笑)。

韓国のテレビ番組では、「韓流MC」と紹介されたこともあります。それがきっかけで今もそう呼ばれることがありますが、自分としては韓国に特化して仕事をしているわけではありませんし、“韓流”は本来、韓国の人や物につける言葉なので、日本人の僕が「韓流スター」のように「韓流MC」と呼ばれるのは不思議な感覚です。

ただ、韓国エンタメでの露出が多いことは確かなので、そのほうがわかりやすいのでしょうね。それに他国のエンタメのMCの仕事だけで生活が成り立つ人なんて、僕のほかにはそういないと思います。

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