安易な「みんなで仲良く」が子どもを苦しめる理由 友人関係の「距離感」は選んでもいい

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「みんな仲良く」というもっともらしい呪縛は、思春期の子どもたちを苦しめているかもしれません(写真:Komaer/PIXTA)
学校教育での理想とされる「みんなと仲良く」という呪縛。その「できるだけ多く」の友だちと「近い距離で」接することをよしとする思想から子どもたちを解放するためにはどんな考え方が重要なのでしょうか。発達障害専門の精神科医・本田秀夫氏は、「お互い興味のあることが違う、というだけの誰も悪くない状況で自分を苦しめないための方法」を説明します。
本田氏による『10代からのメンタルケア 「みんなと違う」自分を大切にする方法』を一部抜粋・再構成。10代のための生き方のヒントを紹介します。

一人でいるのが好きだけど「世間の目」も気になる

自分は「一人でいたいタイプ」だということを、すでに自覚しているという人もいるでしょう。一人でいるのが好きで、無理にノリを合わせることもない。一人でも、気楽にやっている。そういう人もいます。

ただ、そのタイプの人が友だちづき合いに悩んでいないのかというと、そうでもありません。一人で楽しくやっていても、不安になることはあります。

まわりの人から「変だ」と言われたり、一人ぼっちで寂しいやつだと馬鹿にされたり。「一人でも別にかまわない」と思っていても、からかわれたりすることが続けば、嫌な気持ちになるものです。そういう「世間の目」を、どう考えていけばいいのでしょうか。

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