「人が前のめりで聞いてくれる」話題作りの技3つ 一方的に伝えるのではなく、「聴く姿勢」も重要

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小
周囲を巻き込むために、リーダーはビジョンをどのように伝えればいいのでしょうか(写真:ふじよ/PIXTA)
「毎日頑張って仕事はしているけれど、それほど面白いとは思わない」「上に求められているような結果もなかなか出ない」「チームのメンバーを見れば、どこか冷めた印象で仕事をこなしている」「みんなで熱く目標に向かいたいけれど、それも時代錯誤な気がする」こうした悩みを持つリーダーは多いのではないでしょうか。
熱狂のデザイン 楽しく結果を出すチームのつくり方』の著者、岸昌史氏は、「誰でも本当は熱くなりたがっている。リーダーに必要なのは、メンバーが熱くなれる環境を整えることだ」と話します。そしてそれはどんなチームでも再現可能。本稿では、エクセレントチームをつくるためのリーダーシップについて紹介します。

ストーリーに乗せてビジョンを伝える

リーダーの「ビジョン」に周囲の人たちが共感することで、熱狂は広がっていきます。周囲を巻き込むために、リーダーはビジョンをどのように伝えればいいのかを考えましょう。

ハーバードビジネススクールに通っていた知人に、どの授業がいちばん面白かったかと聞いたことがあります。答えは「プレゼンテーションにはセルフストーリーが大事だという話」でした。

この点で代表的な例が、バラク・オバマ氏が大統領になったときの中間選挙でのスピーチです。当時劣勢だった彼が大統領就任へと進む分岐点だったといわれています。

私が今この場にいるのは非常に異例なことです。私の父は外国人学生で、ケニアの小さな村で生まれ育ちました。彼はヤギを飼育しながら育ち、ブリキ屋根の学校に通いました。
彼の父、つまり私の祖父は料理人で、イギリス人家庭の使用人でした。しかし、祖父は私の父に大きな夢を持ちました。私の父は忍耐強く熱心に勉強し、この偉大な地、アメリカで勉強するための奨学金をもらいました。
アメリカは自由の象徴として、私の父が来る以前にも、たくさんの人に大きな夢を実現する機会を与えてきました。
ここで勉強をしながら、父は母に会いました。母はケニアから地球の反対側に位置するカンザス州で生まれました。私の両親は起こりそうもない愛を分かち合っただけでなく、この国の可能性に対する信念を共有しました。
両親は私に「祝福」という意味のアフリカの名前、「バラク」をくれました。
彼らは信じていました。アメリカが寛容な国で、私の名前は私の成功に何の障害もないと。両親は私がアメリカでいちばんの学校に行くと想像していました。彼らは裕福ではなかったけれど、寛大なアメリカでは、可能性を達成するために金持ちである必要がなかったのです。
次ページ人の興味を引くストーリーの条件
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT