維新・馬場代表「改革保守の再編は起こりうる」 日本維新の会・馬場代表が描く日本政治の未来

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2022年8月、新代表に就任した馬場伸幸氏が描く「ビジョンとシナリオ」とは?(撮影:尾形文繁)
2021年10月の衆議院総選挙、それに続く2022年7月の参議院選挙で議席を伸ばし、改革保守勢力の中核となった日本維新の会。
2022年8月、新代表に就任した馬場伸幸氏は、自ら党の憲法調査会長をつとめ、立憲民主党との国会共闘を始めるなど、憲法改正や行財政改革、地方創生の実現に強い意欲を見せている。
今後、政権獲得に向けてどのような「ビジョンとシナリオ」を描いているのか。野党再編や自民党を巻き込んだ政界再編は起こりうるのか。今回、『大阪政治攻防50年』を上梓し、大阪政治や維新の動向に詳しいノンフィクション作家の塩田潮氏が、馬場代表に単独ロングインタビューを行った。

自分は「8番・キャッチャー」タイプ

塩田潮(以下、塩田):日本維新の会は松井一郎前代表(大阪市長。元大阪府知事)の下で戦った2021年10月の衆議院議員総選挙で41議席獲得という躍進を遂げ、8カ月後の2022年7月の参議院議員選挙でも、比例代表選挙の得票で立憲民主党を抜いて野党1位を記録しました。

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馬場伸幸(日本維新の会代表、以下、馬場):参院選の数値目標は「改選の6議席の倍増」でしたが、12議席をいただき、クリアできました。比例票の結果も含め、徐々に維新の考え方、維新の政治が国民の間に広がっていると感じています。ですが、党の勢力の全国的な広がりはまだまだだと思います。

塩田:参院選後の昨年8月、松井氏の後継代表に選出されました。1993年に大阪府の堺市議になって約20年、2012年の衆院選初当選から約10年で党トップの座を担いました。

馬場:野球にたとえると、橋下徹さん(元党代表。元大阪府知事、元大阪市長)や松井さんは4番打者でエースの花形選手ですけど、私は8番・キャッチャーというタイプで、自分自身、トップを張る性格ではないと思っているんです(笑)。

塩田:党首としての使命、役割は。

馬場:結党から13年、原点は「身を切る改革」を中心とした行財政改革です。わが党は「改革保守政党」と自負しています。その路線を継承しながら、「地方から国を変える」「日本大改革につなげる」という新しい政治のレールを私が敷き、新しい人材を登用して、若い「吉村世代」といわれる皆さんにバトンタッチしていきたい。

塩田:馬場代表自ら党の憲法調査会長に就任しました。狙いは何ですか。

馬場:わが党が憲法改正に懸ける本気度を見せているとご理解いただけたらと思います。定例日に憲法審査会を開くことがやっと定着してきましたが、さらに深化させていく。もう1点、重要なのは、憲法改正の国民投票をいつやるか、期限目標の議論を同時並行的にやっていくべきです。「いつやるかわかりません」では国民の関心も高まりません。

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