東海道新幹線の車内販売「作戦会議」の舞台裏 コーヒーの売り方からアイス新メニューまで

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東海道新幹線の新アイス「フレーバー試食選定会」。各関係者のほか、合計8名の新幹線パーサーたちが参加(写真:村上悠太)

現在ではコンビニや駅ナカ施設の充実により影が薄くなってしまった、特急列車などの「車内販売」。しかし今でも東海道新幹線では各駅停車の「こだま」を除く、「ひかり」「のぞみ」のほぼ全列車で車内販売が営業している。

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新フレーバー「キャラメルアーモンドプラリネ」の秘密

専用のワゴンに飲料、酒類、軽食におやつ、お土産から新幹線グッズまで、さまざまな商品を搭載して車内を売り歩く光景は、長距離移動の気分転換に最良の存在といえる。東海道新幹線の車内販売はJR東海グループの「ジェイアール東海パッセンジャーズ」が請け負っている。

数々の品物がある中、人気商品の1つに「アイスクリーム」がある。保冷設備がない新幹線車内では、アイスクリームの保冷にドライアイスが用いられ、アイスをカチコチに凍らせた状態にしてアイスの品質を保っているが、この驚くほどの硬さがSNSで“バズり”、「#シンカンセンスゴイカタイアイス」というハッシュタグとともに話題になり、1日に最大7000個以上を売り上げる人気商品だ。2023年2月1日には、冬の新フレーバー「キャラメルアーモンドプラリネ」が発売になった。この新商品は実際に接客販売を担当する、新幹線パーサーたち自身が商品企画に参加して誕生した背景を持つ。その試食選定会の様子と車内販売の裏側を紹介したい。

試食選定会が開かれたのは昨年の10月下旬と発売の約3カ月前。「ジェイアール東海パッセンジャーズ」の社内会議室に関係者が集まり、その中央にはあの制服姿のパーサーたちが集結した。この時、集合したパーサーは東京列車営業支店と大阪列車営業支店からそれぞれ4人が代表して参加。東海道新幹線のパーサーはこの2カ所を乗務拠点として各列車に乗務しており、安全業務のほか、「ひかり」「のぞみ」ではおしぼりの配布、ゴミの回収といったグリーン車サービス、車内販売を実施している。

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