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洋上風力「入札第2弾」に早くも噴き出る懸念の声 再エネの「切り札」獲得へ交錯する企業の思惑

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秋田県、新潟県、長崎県など4海域での入札が始まったが、早くも懸念の声が出ている。

能代港の洋上風力発電所の風車
「再エネの切り札」として、導入が期待される洋上風力(写真:アフロ)

特集「どうするエネルギー危機 どうなる脱炭素」の他の記事を読む

日本初となる大型洋上風力発電プロジェクトが1月31日に全面運転を開始した。秋田県秋田港、能代港の港湾区域に設置した合計33基の風車(約140メガワット)が稼働したのだ。全長117メートルの羽根は順調に回り続けている。

同プロジェクトは丸紅や大林組、東北電力などが出資する秋田洋上風力発電が事業を推進している。総事業費は1000億円規模だ。

四方を海に囲まれた日本にとって洋上風力発電は期待の再生可能エネルギーだ。今後は1案件の総事業費が数千億円規模に達する、より大規模なプロジェクトが全国の一般海域で続々と立ち上がる。

経済産業省、国土交通省、産業界でつくる官民協議会は2020年12月に「洋上風力産業ビジョン」を策定。2040年までに最大45ギガワットもの案件を形成するとぶち上げている。

英独の電力大手も熱視線

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